【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】
リフォームエンゲージ①の2回目の打ち合わせで2型まで絞りこみが終わりました。
こちらが途中まで作ったデータです。
通常はお作りするCADデータは1型だけですが、今回は2型作ってどちらか選んでいただいてから修正していくということにしました。
まずはその日の打ち合わせ内容をまとめて送ります。
①見本の画像
②2型のお見積り金額
③スケジュール
という流れでまとめてPDFで先に送りました。
デザイン面など間違いがあれば納期に関してのゴールデンウィークを挟むので最大10日ほどプラスされます。
PDFはブログの訪問サービスで作ったアイコンを入れて見やすくしています。
4面図を作る
早速データを作っていきます。
ミル、メレの爪、宝石などのデータはすでにあるものを再利用していきます。
透かし部分は記入できる画像も添付しています。
透かし部分に関しては打合せでも大まかにしか決まっていなかったのでこちらでサンプルを4型とお客様に記入してもらうイラストを添付しました。
また、360度から確認できるCADデータだけでなく、角度を変えた大量の画像をダウンロードできるようにしてメールを送りました。
その後メールの返信で取り巻きに決定で
・取り巻きメレを傾けて
・中石座の下穴を八角形
・透かしは三角形
とデザインの修正依頼のご返信がありました。
指の根本でクルクル回る問題ですが、取り巻きの下穴が八角形なので指の関節が出ていてもフィットさせるパーツとして画像のようなものを考えました。
結婚指輪JOINTのアレンジで
中石座の下穴を八角形と指定があったのでそこにはまるように作りました。
指輪本体の形は変えず、パーツ自体も目立たない、八角形部分に嵌るのでズレにくいパーツになっています。
指輪はK18イエローで作るので違いが分かりやすいようにパーツは銀色にしてお客様にはメールします。
この後、微調整をしてOKが出たので樹脂原型を造形します。
樹脂原型もジョイントと同じように指輪の内側にパーツを取り付けてます。
今回は指輪の背面にもミル打ちが入るので湯道もデータの段階でつけておきます。
これで次回は樹脂原型をお見せすることができます。
3回目のご来店
樹脂原型をご用意してお客様に確認していただきます。
パーツを合体させたので指につけることはできません。
NET通販で買ったサイズゲージバンドというもので指の根本にサイズを測ります。
指の関節より2号小さいサイズで作ることになりました。
試着リングはお客様のご希望で真鍮で作ります。
この指輪は郵送でお送りしてご納品までに返却してもらいます。
パーツだけはK18の指輪にフィットするように調整します。
鋳造依頼
樹脂原型のゴム型を取ってまずはWAXパターンを依頼します。
この段階では余計なパーツを付けたことと石座の内側のゴム切りができないといわれる可能性も考えていました。
その場合は直接鋳造できるWAX樹脂で造形屋さんに再依頼となります。
この方法ならゴム型は不要です。
今回は石座の内側を分割してゴム切りしてくれたようでWAXパターンに問題はありませんでした。
とくに問題なく出来上がったのでK18、真鍮、シルバーで鋳造を依頼します。
鋳造から上がってきたらサイズ確認用の真鍮リングを作ってお客様にお送りします。
画像のように18金はWAXパターンの段階でカットしてから鋳造に出したのでそのままです。
打合せの時にパーツは真鍮で使ってみて、気に入ったらWAXパターンをお持ち込みで18金で作るということになりました。
サイズ確認用の真鍮リングを送っている戻ってくる間にK18のリングを完成させて納品準備まで終わらせておきます。
真鍮でリングとパーツ(写真右)、
K18で指輪、シルバーでパーツを作り(写真左)、
撮影はK18とSVパーツで行っておきます。
2本の指輪はサイズ出しをして2つのパーツのどちらもはまるように削って微調整します。
リングゲージバンドで6号のサイズを測りました。
パーツを入れて6号は自分の指の感覚になります。
小指、薬指などの途中のどこで止まるかで確認して締め付け具合でパーツの底をどこまで削るか決めます。
指輪とくっつければ見えないのでパーツは上下がわかるように目印になる2か所の点を付けました。
試着リングを発送する
ルースケースに試着用の真鍮リングを入れて発送します。
K18など貴金属ではないので普通郵便で送りました。
お客様の手を煩わせないように返信用封筒に住所の記入、切手も貼ってポストに投函するだけで済むようにします。
発送したらメールでその旨を伝えて装着方法などを書いたイラストも付けます。
K18の指輪を作る
試着リングを発送したら本番に移ります。
作業は先に脇石を留めてから中石留め、ミル打ちをして、全体を仕上げてからレーザー刻印を依頼します。
レーザー刻印から戻ってきたら全体を仕上げて完成です。
ご納品準備
写真はご納品する指輪と一緒にお渡しするもの一覧です。
ノベルティトートバックとリングケースの色は事前に選んでもらっていました。
あとは真鍮の試着リングが届くのを待って調整したらご納品です。
パーツの調整
郵送でお送りしたパーツが少しきついとのことで底面を1㎜程薄くして再送しました。
これでOKがでたのでK18の下穴に合うように鏨で叩いて微調整をします。
シルバーと真鍮のパーツのどちらもK18の指輪に嵌るように調整したらご納品します。
ご納品
こちらがご納品時の写真です。
お客様にはK18の指輪とシルバー、真鍮のパーツの取り外しがスムーズか確認していただきました。
まとめ
今回のブログは
・お持ち込みのダイヤでリフォーム
・指の関節が出ている人向けの婚約指輪
のどちらをタイトルにするかで悩みましたが、お母さまからもらった婚約指輪のダイヤモンドを使ったことが重要だとおもったのでタイトルはリフォームエンゲージにしました。
ワークスにはSURROUND/JOINTという名前で投稿しています。
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