ホームページの公開から半年が経ち、ある程度内容が充実してきたので
・WORKSの事例を増やす
・ブログの記事を増やす
以外にどこを修正すればいいかを考えました。
最初に「いい意味で普通のオーダーのお店」と考えていたので基本的にシンプルな結婚指輪サンプルばかり用意しています。
そのため、結婚指輪自体にインパクトが足りないかもしれないと思い、ホームページのTOP画像で使えるようなお店の特徴になるようなオリジナルリングを作ることにしました。
オリジナルリングを考える
画像は結婚指輪の修正で偶然思いついたギメルとシグネットを組み合わせたアレンジリングです
当初は結婚指輪ページのアレンジ例なのでご注文が入ったら原型を作ればいいと思っていたのですが、他では見ない事とお店としての一押し商品がなかったのでこれをオリジナルリングとして地金サンプルを作ることにしました。
ブログではこのリングを作る過程を分割して
・企画からCADデータ制作
・樹脂造形依頼、鋳造依頼
・地金の鋳造上がり仕上げまで
・WAXの鋳造上がり仕上げまで
・撮影からワークスに投稿
その過程をまとめて
・デザインを決める方法3
・ブログ投稿2
という記事を作っていく予定です。
このデザインにした理由
この指輪をオリジナルとして造形することに決めた理由ですが、
1、他で見ないデザインでインパクト、意味がある
2、1つの原型で多数のアレンジ例が作れる
3、ブログの記事が書きやすい
大きくはこの3つです。
1、他で見ないデザインでインパクト、意味がある
ギメルリングも印台リングも結婚指輪のお店ならよく取り扱っているデザインですが、この2つを組み合わせているお店はNETで調べた限りありませんでした。
ギメルリングの印台リングの組み合わせはありそうでなかった事と完全に対称に作る、サイズや幅の調整を考えると制作技法はCADでないと難しいので手作り技法だけのお店との差別化になるという事、2つのリングは歴史的に意味のあるデザインでそれをCADという最新の技法で作るという部分も面白いのでこのデザインに決めました。
2、1つの原型で多数のアレンジ例が作れる
ワークスで公開しているギメルリング、印台リングともに原型は一つです。これをヤスリで削って形状を変えて、テクスチャーも変更することでアレンジ例を増やしています。
原型制作の時間や費用を抑えられることがこのデザインに決めた理由の2つ目です。
3、ブログの記事が書きやすい
これも重要でブログの投稿1で書いたように長文を書く場合は「悩んだりせず書くことができる題材」を選ぶことが重要でブログの投稿2ではその具体例を書こうとしていたのでこのギメルシグネットリングは最適だと思いました。
鋳造後の制作過程が普通の指輪と違っている点や今までなかった2つの基本デザインを組み合わせることで「結婚指輪のデザインを決める方法3」という以前に書いた記事の続編が書けそうということがこのデザインに決めた3つ目の理由です。
指輪の制作過程も原型は少なくてもアレンジで豊富に見せる、コストを抑える、効率よく作る方法などを考えると書くことがありました。
原型データを作る
制作過程は以前に公開していますが、原型を造形するので最初からデータを作り直しました。
完成したデータだけでなく、
・制作途中のデータ
・ホームページで使うイラスト用データ
・制作手順
・失敗したデータ
なども消さずに残しています。
どうしてかというと地金なら叩いて伸ばす、地金を盛り付けるなど力技で「帳尻り合わせ」ができる部分がありますが、CADデータの場合は不備があると樹脂原型の造形ができないのでどこがいけないのか探すことになります
なのでどんどん完成させるのではなく、途中で制作過程もコピーを取っておいて途中から再スタートできる状態にしておきます。
このデータ制作も
・普通の平打ちリングは分割できても印台リングにするとデータがエラーになって分割できない。
・3種類のギメルリングの分割部分を変更すると分割できない
というエラーが出ました。
というわけでどうしてエラーになったか見つけるためにも制作過程のデータも消さずに残しておきます。
完成形の大きさはやや大きめサイズの12号、幅と指輪上部の厚みは3㎜、指輪下部の厚みは2㎜で作ります。
印台リングは幅が広いほうがインパクトがありますが、結婚指輪で毎日つけることを考えて控えめな大きさにしました。
腕が平打ちで印台正面が長方形なら後で削って形を変えることができるので原型はこの形で依頼します。
画像の指輪①と②は形状がそれぞれ左右対称なので同じ形を組み合わせることで1本の指輪に、画像の指輪③と④は組み合わせることで1本の指輪になります。
ということで4つのデータで3本のオリジナルリングを作ることができます。
オリジナルリング2ではどうすればコストを抑えて造形できるかや考えていきます。
このデータで3連のギメルシグネットリングを作る方法などアレンジのデザインを考える手順はそのあとになります。
データの詳しい制作手順は詳しく知りたい人もいるかもしれないので書こうかと思ったのですが、このオリジナルリングのデザインを公開した時点で料理でいえばレシピを公開しているのと同じだと気が付きました。
専門的すぎて読んでいてつまらないかもしれないことと多少CADを触れる人にとっては公開している画像だけをヒントに制作できるレベルなので割愛してしまいます。
これが他の業種との違いだと思うのですが、細かいクオリティーの話を置いておくとこの結婚指輪のようにデザインの自由度がある程度制限されると(特にCADを使える人にとっては)出来上がりも見れば詳しく書かなくても大抵は同じものを作ることができます。
そう考えていくと「他が真似できないオリジナルデザインを考える」など今後の課題も見えてきました。
オリジナルリング2では樹脂原型の造形依頼などについて書いていきます。
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