中石ダイヤモンドのお持ち込みで
取り巻きの婚約指輪をお作りしました。
腕の形は逆甲丸でサイドはミル打ち、
取り巻きの石座はお客様のご希望で
側面には三角形の透かし、
下穴(裏抜き)の形は八角形にしています。
お客様から指の根本のサイズが関節よりも小さく、根本で指輪がくるくる回ってしまうというご相談があったので解決策として指輪を着けた状態で側面からサイズ調整用パーツを差し込んで指輪がクルクル回らないようにしました。
写真のように指輪とパーツで色を変えるとデザインのアクセントにもなります。
もともとのアイデアは結婚指輪のジョイントでパーツの形は婚約指輪に合わせました。
指輪が完成するまでの流れ
今回は1回目のご来店でお見積り、
2回のご来店でサンプルを見ながら細かい部分の打ち合わせ、
メールでデザイン画の確認をしていただいて、
3回目のご来店で原型の確認、
郵送でサイズ確認用指輪をお送りして、
4回目のご来店でご納品となりました。
制作過程
打合せでは
・覆輪留めに取り巻き石座/八角形の石座
・腕の中心にミル打ち/腕のサイドにミル打ち
・腕にメレあり/なし
の組み合わせで迷っていらっしゃったので
2つの原型データを作りました。
透かし部分に関してはご希望の四角と三角から選んでいただきました。
オーダーメイドではこのように指輪の各部位を順番に選択して最終デザインを決めていただくことが多いです。
指の関節が通るサイズはリングゲージ、
指の根本サイズは写真のリングゲージバンドを
使って測りました。
関節より根本が2号小さかったので
パーツを嵌めたときにリングの内周の
マイナス2号のなるように調整します。
サイズ棒では測れないので
指に指輪とリングゲージを交互にはめて
同じ締め付けになるようにパーツを削って調整します。
お店に何度も足を運ばなくてもいいように真鍮で出来たサイズ確認用リングを返信用封筒とともに郵送でお送りしました。
1回目のサイズ確認で少しきつかったとのことでパーツの底を1㎜程削って再送、OKを頂き再度返送していただきました。
このサイズ確認用リングをお送りしている間にダイヤモンドのK18婚約指輪を完成させておきます。
お母さまからいただいたという婚約指輪からダイヤモンドを外して、
新しい枠に留め変えます。
完成した指輪と一緒に制作過程でできたゴム型、樹脂原型、WAXパターンなどを木箱にディスプレイします。
ここまで出来たらお客様から真鍮のサイズ確認用リングが届くのを待ちます。
戻ってきたサイズ確認用リングの真鍮パーツを
K18のダイヤモンドリングにピタッと合うように
微調整したらご納品準備は完了です。
パーツは真鍮の他にシルバーもお付けしました。
ご納品時には両方のパーツの取り外しをして指輪がクルクル回らないかの確認をしていただきました。
素材やデザインのご希望だけでなく、今回のような「関節が出ているので指の根本で指輪が回ってしまう」といったお悩みもできる限り対応しますのでご相談ください。
ダイヤモンドを外したプラチナの枠にはアクアマリンを留め直しました。
古い枠も新しい宝石を留め直す、腕を再利用する、石座だけ再利用するといった方法で新しいジュエリーに生まれ変わります。