【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】
粒金(りゅうきん)模様の結婚指輪「グラニュレーション」を新しくマリッジページに追加しました。
今回のブログではこの指輪ができるまでを説明していきます。
グラニュレーション(粒金)とは
グラニュレーションとは粒金(りゅうきん)細工と言って、表面に極小の地金粒を並べて溶接したジュエリーの事を指します。
BC3000年頃エジプトで生み出され、イタリア半島にあったエトルリアという都市国家で隆盛したと言われる彫金技法の事です。
WIKIPEDIAにも載っていました。
使って良い無料画像が見つからず、上の写真がイメージと近いのですが、素材は金を使用して1㎜以下の粒を溶接する手間暇かかる細工です。
極小粒の似た模様には結婚指輪のデザインで定番のラテン語で「千の粒」を意味する「ミルグレイン」があります。
ミルグレインの連なった小さい粒は鏨(たがね)という工具を使い、地金表面に半球の跡を付けることで生まれるのでグラニュレーションとは制作方法が違います。
前回のブログ#103 植物&誕生花リングで等間隔に形の違う花が並んだ指輪を作りました。
この指輪のように球の並びで数パターン作ってお好きなデザインで作れる伝統的なグラニュレーションを現代風の模様の結婚指輪にするならお客様に響くかもしれないと思い、サンプルを作ることにしました。
指輪を作る
結婚指輪の幅はこれまで通り3㎜で作っていきます。
まずは直径0.5㎜の上部が球状の円柱を作り、2㎜幅に収まるように模様を作っていきます。
こちらが作った粒金模様です。この中からバランスよく3㎜幅に収まるように等間隔に並べていきます。
両サイドミルのようなデザインも考えましたが、今回は中心にグラニュレーション模様があるだけのシンプルなタイプで作っていきます。
完成サイズは16号になるように作ります。
原型はこれまで通り、コストを抑えるために半円状で作って、
WAXパターンになってから円形にして真鍮で鋳造に出します。
あとは仕上げてメッキをかけて完成です。
HPで公開する
指輪ができたので結婚指輪ページに投稿します。名前はそのまま「グラニュレーション」です。
伝統的な粒金細工と似た模様のミルグレインとの違い、CADを使うことでデザインの自由度が高いことなどを書きました。
ちなみに結婚指輪の基本デザインの模様リングはこの「グラニュレーション」で全24種類になりました。
まとめ
粒金模様リングについては以上です。
伝統的な粒金細工のグラニュレーションとは違いますが、デザインの自由度が高く、手間もかからない分、価格も抑えることができるオーダーリングになりました。
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