【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】
当店での結婚指輪のオーダーについての動画を作ってHPで公開しました。
これまでにHPで公開した内容を30分に収めた動画になっています。
この動画のためにオーダー手順を説明する用の新型の指輪も作ったので、その指輪が完成するまでと動画を公開するまでについて書いていきます
今回は長くなったのでブログでは2回に分けます。
①がこの動画を作ろうと思った理由やこの動画のために作ったサンプルリングについて、②ではパワーポイントで動画を作ってホームページで公開するまでを書いていきます。
動画を作ろうと思ったきっかけ
ホームページでは上記の内容や指輪のデザインの決め方等をそれぞれのページで詳しく説明しています。
お客様で見ていない方も多いので、ご来店の際は商談ファイルとサンプルを使って口頭で説明をしています。
ただ、何件も指輪のお店を回って話を聞くのも、ホームページを開いて画面をスクロールして文字を読むというのも人によっては疲れる事だと思います。
そこで一番ご注文の多い結婚指輪だけは大事な部分をまとめたオーダー手順の動画を作ることにしました。
これならご予約の段階でメールにリンクを貼って動画を見てからきてもらえば、どういうデザインにするかおおよそイメージしているので1から説明する時間も省けてこちらの説明し忘れもなくなり、その分、サンプルを見て打ち合わせする時間に使えます。
それから口頭よりも写真やイラスト入りの字で見たほうが理解しやすいかもしれないと思って、ユーチューブであるアニメーション動画の作り方を見ていると人が映る講義の動画よりもアニメーション動画のほうが気が散らずに内容に集中できるという趣旨の話をしていました。人が映っているとそちらに気が取られ板書があっても話している内容に完全に集中できないそうです。
口頭だとその場で理解しないといけませんが、動画ならわからない部分は繰り返して見たり、店頭でわからない部分だけ質問することができます。
指輪のオーダーメイドは説明することが多いですが、スタッフが多い時や新しい人が入ったときにもこの説明用動画があれば全員が同じクオリティーの説明を使えるので覚える手間がかかりません。
ホームページに動画の材料となる文章と写真、イラストなどは用意してあるので、パワーポイントへのコピペの要領で作業すればそこまで時間もかからなそうなので今回作ることにしました。
サンプルリング制作
この動画では結婚指輪のデザインを決める手順についての動画も入れることにしたので、その説明用指輪サンプルを作ります。
写真は完成した指輪で正面の向きを変えることで6つの表情を選ぶことができるようになっています。
デザインの下書きはこちらです。
完成品を使って説明すると、プラチナの3㎜平打ちリングから始まって→+甲丸(形状)+槌目(仕上げ)+K18YGコンビ(素材)+ダイヤモンド(石留め)という風に形状→仕上げ→コンビ素材→石留めと、指輪のデザイン要素を一つずつ追加する途中経過の指輪も作ることで完成までをイメージしやすくしています。
打合せでオーダーメイドの結婚指輪の説明をするときもこの指輪を使えば出来上がりをイメージしやすいと思います。
ここからはこの5本の指輪の作り方です。
以前に作っておいた幅3㎜、厚み2㎜板を丸めたサイズ15号の真鍮リングがあったので、
この指輪を削って形を整えて平打ちと甲丸を合体させた指輪を4本作ります。
写真右の指輪が見本で平打ちに糸鋸で斜めのラインを入れます。ひっくり返して反対側の正面にも同じ斜めのラインを入れたら半分だけを甲丸に削ります。
見本の指輪はWORKSに投稿したHANDMADEの時に作った1本です。
3本は甲丸部分を槌目仕上げにします。この槌目はハンマーで叩くのではなく、リューターにつけたシリコンホイールを角度を変えて当てて槌目風に仕上げました。
槌目を付けた1本は平打ち部分の半分(リング全体の4分の一)に彫り留めをします。キュービックジルコニアは1.5㎜を5PC、1.3㎜を2PC使いました。
5本の指輪が出来たので銀色のロジウムメッキをします。
ロジウムメッキから上がってきたらコンビリングにする指輪の平打ち側にマスキングをしてイエローゴールドのメッキに出します。
マスキングを剥がしたら完成です。一番右側がアレンジした完成形になります。石留め後に槌目模様は少し大きめに変更しました。
画像のように1本の指輪の向きを変えることで
・金色槌目メイン
・銀色艶消し平打ちメイン
・銀色彫り留めメイン
・金色槌目/銀色彫り留めコンビ
・金色槌目/銀色艶消し平打ちコンビ
・銀色彫り留め/銀色艶消し平打ちコンビ
の6面から選ぶことができます。
斜めの切り替えもデザインのアクセントになっていると思います。イラスト下の枠内、右上のデザインになります。
指輪が完成したら動画を作る前にこの指輪をワークスに投稿します。
指輪をHPで公開する
アイキャッチ画像は先ほどの向きを変えた6パターンの画像にしました。
指輪の名前ですが、これまでの名付けルールだとFlat×roundとなりますが、テクスチャー、彫り留め、ハーフコンビ地金と他の要素も多いです。
今回は平打ちと甲丸、仕上げは艶消しと槌目、素材はコンビ、彫り留めアリと個性的なので名前はindividual(個性的な)にしました。
内容はこの後動画でまとめる内容と同じで複雑に見えるデザインのオーダーメイドも幅、形状、仕上げ、素材、、、と順番に選ぶことでお好きなデザインにすることができることを書いています。
オーダーメイドならではの個性的なデザインの良い見本になっているのでトップページのフォトギャラリーにも追加しました。
マリッジリング動画②ではこの指輪を使って「結婚指輪のオーダーメイドについて」の動画を作っていきます。
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