①何のお店にするか決める
②他店の事を調べる
③どんなお店にするか決める
④HPの中身を考える
⑤オーダーサンプル
⑥結婚指輪サンプル
まで終わりました。
1、オーダー見本サンプル
(幅、素材、コンビ、テクスチャー、石留め見本)
2、結婚指輪サンプル(基本デザイン)
が終わったので
3、婚約指輪サンプル
を考えていきます。
婚約指輪はもしオリジナルにこだわらないのであれば御徒町の空枠メーカーでシルバーサンプルを何十万円かでセットで貸出というサービスやNETカタログで見てもらうという方法もあります。
今回は自社で作って用意する場合です。
このホームページは
・ブランド感が出すぎない
・良い意味で普通
・シンプルで主張しないお店。
・流行に左右されない
と考えていて、個性的なものはデザインのイメージを絞ってしまうのでスタンダードな婚約指輪デザインを作ります。
それからエンゲージリングは中石が主役で地金部分は脇役という役割で考えているのであまり個性的にしないようにします。
エンゲージリングは最初から10個作ると時間もコストもかかります。
イメージを膨らませてもらえればいいのでどうすれば短時間でコストも抑えて出来るか、結婚指輪の基本デザインと同じようにベーシックなデザインを考えます。
まず婚約指輪のデザインで定番の「ソリテール」は
1、中石(センターストーン)
2、石座(シャトン)
3、腕(アーム)
の3つから出来ています。
サンプルはセンターストーンはラウンド、石の大きさは0.3ctのサイズを選ぶ人が多いのでこのサイズCZで作ります。
石座(シャトン)
定番は4本爪、6本爪、覆輪留めです。
画像はパーツ屋さんで販売しているシルバーの石座です。
ただ、ペンダントやピアス用を想定して作っているのか指輪に使うには高さが足りません。
既成石座は使えないのでCADで4本爪、6本爪、丸の覆輪、六角形覆輪、八角形覆輪、取り巻き石座を一つの指輪のようにしてデータを作りました。
これなら造形代を安くすることができます。
鋳造から上がってきた石座をバラバラにして腕と組み合わせましたがこのすり合わせが難しいです。
石座の左右に棒をつけて(画像の赤線部分)原型を作り、地金になった状態で腕の方にドリルで凹みをつけて溶接した方が楽だと思います。
腕のデザインは結婚指輪の基本デザインのスタンダードとツイストをアレンジして組み合わせました。
石座はCADで1本の指輪にてまとめて造形、腕は真鍮棒で鍛造、石はキュービックジルコニアで最後にロジウムメッキをして完成です。
今回のサンプル制作ではこのエンゲージリングサンプルが一番時間がかかります。
キュービックジルコニアの中石留めはダイヤと違って仕上げでカット面がダレやすいので気を付けて作業しました。
石座と腕の取付はオーダーなら石座付きの指輪の形で造形するので問題ありません。
脇石の石座はサイドメレが定番ですが、取り巻きだけはインパクトがあって中石を小さくしても豪華に見える利点があるのでサンプルを作りました。
ホームページでは婚約指輪、結婚指輪のメインの写真にはシンプルとオリジナル(特徴あり)の両方の画像があると使いやすいです。
具体的には結婚指輪の写真だとシンプルは甲丸、オリジナルはハーフコンビの槌目、婚約指輪だとシンプルは六本立爪(ソリテール)、オリジナルは中石が覆輪のメレ取り巻きを使っています。
商談でも一番シンプルと一番おすすめ、もしくは一番人気は聞かれることが多いので答えられるように結婚指輪ペアと婚約指輪の合計6本セットはあると便利です。
それから画像のようなソリテール以外を用意するかですが、空枠メーカーのセミオーダーカタログがあり、ホームページに掲載の許可をしている所が多いです。
それを使うとサンプル制作の数を増やさなくてもお客様に説明できます。
ちなみに結婚指輪と違い、手を使う仕事の人には指輪ではなくペンダントを勧めることもあります。
そうするとペンダント空枠、チェーンのサンプルも必要になってきます。
ペンダントはCADで作った石座を加工することでペンダントになります。
ただ、シンプルなデザインをご希望ならセミオーダー枠の方がコストを抑えられます。
ペンダントの注文を受けるならチェ―ンの幅と種類、長さ見本、価格表は必要になってくるので用意しておきます。
エンゲージの提案
エンゲージリングの接客では指輪以外にダイヤモンド自体の説明も必要です。
ダイヤモンドに関しては見本がなくても御徒町にある某有名空枠店で業者登録すると豊富なルース在庫のWEBカタログを使うことができます。
委託でダイヤモンドを借りることもできます。
この方法なら在庫を持たなくてもお客様の予算に合わせて提案と説明をすることができます。
結婚指輪と違いエンゲージは石の説明も必要なので4Cの説明用紙、他にもダイヤを説明するサンプルがあると便利です。
・ハート&キューピッドが見れる
キュービックジルコニアとスコープセット
・色のマスターストーン
・キュービックジルコニアで
ラウンド以外のカット見本
そして小さくていいので本物のダイヤモンドもあるといいと思います。
ダイヤモンドは商談で使える3種類の0.1ctを用意しています。
①クラリティ―VS、カットがEX→ブライダル品質
②クラリティ―SI、カットがGOOD→ファッションジュエリー品質
③クラリティ―I、カットがPOOR→深夜の通販なども格安で販売している品質
この3つがあるとハートキュースコープで拡大してカットとクラリティの説明がしやすいです。
そしてお客様にピンセットで持ってもらうと石を落としてしまうのでルースケースに入った状態で見てもらいます。
それと今回サンプルは全て0.3ctで用意していますが、「0.2と0.3ctで大きさはどのくらい変わりますか」という質問などもよくあるのでキュービックジルコニアで0.1、0.2、0.3、0.5、1.0ctの石の大きさ見本をケースにいれておくと商談がスムーズです。
それからエンゲージリングは脇石に誕生石を入れるデザインがよく見られます。
なので金色、銀色で誕生石が留まった状態のサンプルもあると便利です。
画像のリングはお客様の「地金の色の違いで誕生石がどう色が変わるか見たい」と、いう声を参考に作ったサンプルです。
リング立ての下に時計回りで12時がタンザナイト、1時がガーネット、2時がアメシスト・・・という風に時計と誕生月が同じ配置で留めてあります。
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