マリッジリング、オリジナルリングと考えてホームページに足りないものは他にないか考えてエタニティリングを作ることにしました。指輪に石が1周留まっているのがフルエタニティ、石が半周留っているとハーフエタニティと呼ばれます。
婚約指輪に関しては一粒石のタイプではなく、エタニティタイプを購入する方や結婚、婚約指輪の両方を兼ねてエタニティタイプにする方もいらっしゃいます。
ブライダルリングのお店だとエタニティリングだけで何型も用意しているお店も珍しくありません。
作るのが手間なら空枠メーカーから有料でSVサンプルを借りておくこともできますが、今後の指輪制作で再利用できるので原型を作ってしまいます。
今のホームページでは小粒石(メレ)の石留めの見本として5種類の彫り留め見本、(左から4点留め、覆輪留め、マス留め、星留め、後光留め)
連彫りのリガードリング、
エンゲージリングの共有爪の取り巻きサンプルを用意しています。
まずはホームページに載せるエタニティリングはどういった形を用意するか考えます。
デザインを考える
留めの種類で作りたいデザインを4つ考えました。
1、腕と石の幅が同じくらいの4点留め
2、レール留め
3、彫り留め風の4点留め
4、腕側面に彫り留め風の4点留め
この4つのハーフエタニティをオーダーメイドの商談時の説明で使えるように一つにまとめた指輪を作ることにしました。
画像のような取り巻きなど一本の爪が2つの石を固定する共有爪という留め方もあります。
ただ、この留め方は指輪の腕回りにあると衝撃で変形した場合などに石緩み、石外れが起きやすいです。
見た目はすっきりしていますが、エタニティリングの場合はあまりおすすめできないのでサンプルからは外してしまいます。
石はサンプルなのでキュービックジルコニア、直径は1.5㎜で制作することにしました。
これは幅2㎜のリングで作る場合にギリギリで彫り留めできるサイズです。
ワークスで彫り留めのサンプルリングも今後作っていく予定なので少し多めの300PC仕入れることにしました。
御徒町で何件か見ましたが、NETでのほうが安かったので宅配で仕入れました。
原型データ制作
エンゲージリングの石座やオリジナルリングのようにコストを抑えて後で原型を再利用できる指輪を考えます。
原型はCADで制作するので造形代を抑えられるように4つのハーフエタニティの石が留まる部分だけを1本にまとめます。
まずは平らな状態の原型データを作ります。
これを丸めて4本のハーフエタニティを作ります。
完成したデータがこちらです。
4つの石座部分は地金になった後で分割できるように1㎜ほどの糸鋸が入る隙間を作ってあります。
これで指輪の下半分の腕を別で作って溶接することでCAD原型は一つでも4種類のハーフエタニティを作ることができます。
直径1.5㎜の石を留める爪なので造形やゴム切り、鋳造で問題が起きないサイズを考えて石同士の隙間もやや広めに取りました。
サンプル制作
樹脂原型は写真のように出来上がってきました。
地金は重さがあるのでシルバーより金額が安く済む真鍮で作ってキュービックジルコニアを石留め後にロジウムメッキをします。
原型のまま
ハーフエタニティの見本リングとして
1本そのままで4種類と留め方を見れるリングにします。
レール留めは片側に溝をつけて反対側の壁は溝なして高めにしておきます。
こうすることで石留めは片側だけの処理で済むので時間の短縮になります。
この1本でエタニティの石留めを説明できる優れモノでこういうデザインの指輪に見えなくもありません。
4分割してハーフエタニティ
分割した写真を撮り忘れてしまいました。
写真は4分割した後に指輪の下半分の腕を別で作って溶接して成形した段階です。
4種類が1本になっている指輪で一通りの説明ができますが、ハーフエタニティの実物のサンプルとして4本のハーフエタニティの中から幅2.5㎜の淵がある4点留めタイプと幅1.5㎜の石の幅ギリギリの4点留めの2本を比較用に石留めしてメッキに出すことにしました。
地金を糸鋸で切るのが手間ならWAXパターンの状態で分割してハーフエタニティーを作って鋳造に出してもいいかもしれません。
共有留めの見本
1.5㎜のキュービックジルコニアが大量にあるのでおまけで取り巻き石座を分割してマリッジリングの見本を作りました。
この指輪は共有留めの説明とエタニティのように留めると石外れの可能性の話のときに使う予定です。
まとめ
留め終わった指輪がメッキから上がってきました。
取り巻き石座を分割したマリッジリングは写真のようにソリテールと重ね付けできるのでそういった説明にも使えます。
4種類のハーフエタニティの原型ができたので中石の石座と組み合わせてエンゲージリングなども時間を見て作る予定です。
ハーフエタニティはオーダーメイドの料金表で計算すると石のお持ち込みでなければ既製品よりも大分、高くなるのでご希望の場合は種類も豊富な空枠メーカーさんのセミオーダーをおすすめするかもしれません。
今回作った指輪は
・商談でエタニティリングを説明する際のサンプル
・今後のサンプル制作で使う原型
・HPで目を引くインパクトのあるデザイン
として作ってみました。
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