結婚指輪にもっとデザイン性を求めて
オリジナリティーを出したい場合には
CADを使う方法があります。
いわゆる3Dプリンターで指輪の原型を作る方法で
画像のように人の手では難しいデザインも
精巧に作ることができます。
結婚指輪のデザインを決める方法①では
指輪の幅、素材、テクスチャーなどを
順番に選ぶ選択式でデザインを決める方法を
ご説明しました。
その中でCADという最新技術を使うことで
人の手では難しいデザインでも
画像のように精巧に作ることができると書きました。
このCADで作るデータは
360度好きな角度から見ることができる
立体のデザイン画でもあるので
出来上がりとイメージが違うという不安も
解消してくれます。
この結婚指輪デザインの決め方②は
そのCADを使って
決めた指輪の幅に合わせて好きな絵を描いて
それをどう立体にするか考えてから
素材などを選ぶ方法になります。
この技法だと
「職人の手作業」という制約がなくなるので
デザインも無限に考えることができます。
おすすめは好きな「モチーフ」を決めて
指輪にするという方法です。
画像のようにモチーフを撮影するか
ネット検索で画像を保存して
持ってきてもらえれば
話しながら指輪のデザインを作っていきます。
絵を描いてお持ち込みでも大丈夫です。
こちらで指輪の形になるように
データを作ります。
例えば「編み物」をモチーフに
オーダーのご依頼の場合、
資料を探して指輪の幅に合わせて
「編み込み模様」を描きます。
これを立体にして指輪を作ります。
画像は2、3、4、5㎜幅でそれぞれ作った
指輪の原型データです。
これでお好きな金属で指輪にすることができます。
CADで作った原型は細すぎると
地金にするための型が取れない場合もあるので
こちらで調整してデータを作ります。
このデータも幅に合わせて
型の取れるデザインで4種類作りました。
幅が広いほどデザインの自由度が上がります。
(狭い幅にどうしてもという場合は
立体はできませんがレーザー刻印という方法で
模様や絵を入れることが可能です。)
編み込み模様からデザインを
派生させることもできます。
Celtic knot
例えば結婚指輪クラダリングで使った編み込み模様は
ケルティックノットと言って
アイルランドの伝統的な模様です。
Mizuhiki1
編み込み模様は日本にもあり
水引はお祝いの熨斗(のし)にも使われる
縁起のいい編み込み模様です。
水引も何種類かあるので
別パターンも考えることができます。
Heart knot
編み込みというモチーフでいくつか考えると
角度や組み合わせでハート型ができたので
それをオリジナルとして指輪のデータも作りました。
このように一つのモチーフをアレンジして
世界で一つの模様を指輪に入れることもできます。
Fede
他にもハートでいうと画像のフェデリングは
アンティークにはよく見られる
3連パズルのデザインですが
結婚指輪にするには個性的すぎるかもしれません。
そこで
「両手でハートを包む」というモチーフだけを
イラストにして
細い幅では模様が分かりにくいので
世界地図の指輪などでよく見られる
メンズとレディースを重ねると
1つになるデザインにしました。
このようにモチーフをそのままではなく、
シンプルにする、変形させる、分割させるなどすれば
無数の指輪デザインを作れます。
モチーフはインターネットを使えば
いくらでも探すことができます。
最初の編み物に話を戻すと
そこから連想して布や衣類などのモチーフを探して…
Min-sir
沖縄の伝統的な編み物であるミンサー織り
Native
ネイティブアメリカンの織物
Paisley
バンダナなどでよく見かけるペイズリー柄
Wingtip
カントリーブーツなどに見られる
ウィングチップと呼ばれる飾り模様
Star & Cross
タイルなどでよくあるエイトスターとクロスの繰り返し
エイトスターとクロスの繰り返しのアレンジという風に
連想してデザインを作ることができます。
多角形や幾何学模様も指輪ではよく
デザインの一部になります。
Octagon
画像は結婚指輪ポリゴンをアレンジして作った
多角形の指輪です。
Hexagon
こちらは六角形です。
Cube
立方体もパーツのように使うことで
指輪にすることができます。
並べる数と間隔を変えることで
様々なパターンが考えられます。
結婚指輪ブロックスもこの方法で作っています。
スタッズやボールなど同じパーツの連続だと
よりスッキリとした印象になります。
Geometric cross
幾何学模様は
他のモチーフと組み合わせることで
オリジナル色が強くなります。
画像は十字架と組み合わせました。
Geometric animal
こちらは犬を幾何学模様にしています。
指輪の内側に入れる刻印を
模様として表面に入れるということもできます。
写真の指輪は文字を上下に分割して
2本重ねないと意味がわからない
シークレットメッセージにしています。
Block & Text
画像は文字とブロックパーツを組み合わせたデザインで
某海外有名ブランドのデザインを参考に作りました。
Alphabet triangle
アルファベット自体の形を変えて
模様にすることもできます。
画像は三角形でアルファベットを表しています。
Alphabet block
この指輪は4つのブロックを組み合わせて
アルファベットを作りました。
ほかには「暗号」などを使うという方法もあります。
Morse code1
トンとツーの2種類で表すモールス信号
Braille
この点字(ブライユ)の丸部分は膨らんでいるので
実際に触って「読む」事ができるデザインにしています。
Ogham script
この指輪はオガム文字という
紀元前に北欧の民族が使った言葉を使いました。
というように
言葉を模様にする方法も
様々なデザインを考えることができます。
結婚指輪ならお二人の誕生日、思い出や好きなものを
モチーフにするというデザインもよくあります。
Constellation
コンスタレーションは星座のことです。
お二人の生まれた12星座を入れて分割して
共有するというデザインにしました。
City
お二人の思い出の都市や場所をシルエットで。
Shield
西洋では紋章、日本なら家紋などを入れる指輪も
よく見ます。
Baseball
お二人で好きなスポーツが共通していれば
それに関連するデザインもいいかもしれません。
画像の野球だけでなく他のボールでも作れます。
花や植物も指輪のモチーフではよくあります。
写真は結婚指輪のモチーフでは定番の月桂樹です。
Hawaian
この指輪はハワイアン彫りを
立体的なデザインにするためにCADで作りました。
Wheat
小麦も西洋では聖書にも登場する植物なので
指輪のモチーフによくなります。
G-clef arabesque
それから音楽モチーフも指輪では人気があります。
画像はト音記号モチーフですが
唐草模様のデザインと組み合わせて作りました。
Violin
バイオリンはモチーフが大きいので
上下に分割しました。
Piano
ピアノは鍵盤部分を指輪にしました。
このようにCADという最新の技法を使うことで
従来のオーダーメイドより
遥かに自由なデザインの指輪を作ることができます。
結婚指輪のデザインを決める方法③では
基本デザイン同士を組み合わせる方法を
説明していきます。