㉜オリジナルリング3で2連の説明が終わったので3連のギメルリングについて書いていきます。
WAXパターンで原型制作
ゴム型から取り出したWAXパターンを使って3連ギメルリング用のWAX原型を作ります。
画像のように指輪を半分にして捻り部分同士をつなげます。
カッターを使って目測で分割、アルコールランプでスパチュラーを温めてワックスパターン同士をつなげます。
これで3連の中心のWAX原型ができました。
地金にしてゴム型をとる方法もありますが、いつでも作れるので今回はこのまま鋳造に出します。
地金を分割してロー付けだとロー目と呼ばれる溶接面が見える事と加工が楽なのでWAXの状態で作りました。
3本を繋げて1本にまとめた状態で芯金に入れてたたいて伸ばすのでやや小さめに作っています。
CADのデータ上は大丈夫ですが、ちゃんと1本になるのか心配だったのでWAXの状態で3本をつなげて確認しました。
これで3連リングの中心部分のWAX原型ができたのでシルバーと真鍮で3型をそれぞれ1本ずつ鋳造を依頼しました。
すると後日、シルバーの原型3本の鋳造を失敗したとの連絡が入りました。
今回鋳造を依頼した指輪はWAXパターンを繋げただけで簡単に作り直せるので特に問題ありません。後日、作りなおして持っていきますと伝えました。
知らない方のために説明すると鋳造では失敗があっても補償などは一切ありません。どのお店も利用規約にその内容を記載していると思います。
なので1から手作りで鋳造で失敗すると困る場合などは液ゴムで型を先にとるなどの「保険」も必要かもしれません。
地金のほうは先にある程度まで仕上げてあったので再鋳造の依頼前にWAXと組み合わせて本当に一本になるか確認してから再鋳造をお願いしました。
鋳造上がり
3連リングは真ん中の指輪を切ってロー付けします。
仕上げ方法はオリジナル3でやっているのでほぼ同じです。
指輪を切って3本をつないでロー付けをして
接着材で固めてから全体を成形します。
3連に関しては真ん中の指輪を少し小さめに作って芯金に入れて木槌で叩いて伸ばすことで上下の2本との隙間を埋めることができました。
ただ、完璧とはいかないので受注品の場合は真ん中の指輪もCADデータを作って樹脂造形、鋳造がよさそうです。
メッキ出し
3連ギメルの1本のみピンクゴールドでメッキをします。
納期短縮とコストを抑えるためにマスキングはこちらでやっておきます。
画像のマニュキュアをメッキをしない2本に塗って作業完了です。
マスキングは100均のマニュキアを使っています。
メッキ後にマスキングを剥がしてシルバーと真鍮部分を仕上げたら完成です。
全部で6本のギメルシグネットができました。
最初は形状やテクスチャーを変える予定でしたが、そのままで十分インパクトがあるのでこのままにすることにしました。
金、銀、ピンクの3色、
金と銀の2色、
単色の3種類、6本を用意しました。
オリジナルリングのページを作る
全部で24本のギメルシグネットリングが出来上がりました。
この指輪がお店の一押しになるのでその内容を考えます。
2連のギメルシグネットリングは3種類あります。
この中で左右対称を崩さずにサイズ直しができるのは写真の1つだけです。
オリジナルとして販売する場合は残りの2つはサイズごとに原型が必要になるのでオリジナルはサイズ直し可能な1型で¥120000、残りは原型を作るので追加¥20000、納期もプラス2週間にして受注生産にします。
それから価格設定です。
オリジナルは既製品と扱いでアフターフォロー、レーザー刻印なし、素材とサイズを選んでもらうことで金額を下げることにしました。
仕上げが表面はつや消し、内面は鏡面で
フラット
ラウンド
槌目の3種類で素材は6種類のどれを組み合わせても金額は同じです。
SV925×K18、SV925×真鍮など低価格の組み合わせも考えたのですがまずは貴金属のみの価格表示にします。
3連に関しても1から原型を作るので受注生産にします
金額の内訳は
2連のベース価格¥120000
原型制作代 ¥20000
地金代+加工代 ¥20000
で合計¥160000です。
こちらも通常のギメルをオーダーメイドで作るよりも安い価格にすることにしました。
お客様向けの商品説明ページではギメルとシグネットを組み合わせたデザインという簡単な説明、金額という簡潔な内容にします。
幅は2連が3㎜、3連が4.5㎜で厚みは上部が3㎜、下部が1.8㎜という寸法も書いておきます。
ペアの組み合わせも何パターンか考えられるのでわかりやすくまとめます。
まとめ
ワークスを作っていて偶然できたギメルとシグネットの組み合わせた指輪をオリジナルリングにすることにしました。
オリジナルリングを作る方法は以上です。
全4回に分けて(①で書いた当初の予定を多少変更して)企画から制作の流れをまとめてみました。
後日、お客様向けのページを公開する予定です。
今回作った指輪の写真をワークス、インスタグラム、ピンタレストにもまとめて投稿します。
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