【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】
お店を初めて3年が経ち、打ち合わせ用の指輪サンプルも増えてきました。
シンプルな結婚指輪サンプル、いわゆる「よく見る形の結婚指輪」をは幅2.5㎜の腕に仕上げ、彫り留め、ヤスリで面を増やしたデザイン等と組み合わせてHANDMADEという名前でワークスのページに30型投稿しました。
このHANDMADE30本は幅2.5㎜で甲丸にヤスリで作った面に彫り留めをしたレディース用リングにしています。
彫り留め前の状態がメンズのデザインになるので、お客様にはその事を説明してイメージしてもらえばいいと思っていましたが、ご来店前にHPを見ただけの人にも分かりやすいように宝石なしタイプも作ることにしました。
それからオーダーで他に足りないデザインの指輪を考えたときにカーブリングの種類はV字くらいしか用意していません。
写真のようにパッと思いつくだけでも
・V字
・正面から見て無限大(∞)
・正面から見てハート
・U字
・横S字
・M字
と、6種類のカーブを作ることができるのでオーダー見本として追加することにしました。
指輪を作る
こちらが完成した指輪の写真です。
普通の甲丸だとあまりインパクトもないのでヤスリで面を作ってその部分だけは鏡面仕上げで目立たせています。
ストレート腕が6本、カーブ腕が6本で合計12本で、制作過程はこれまでと同様に一番安く済む、真鍮棒を使って最後にロジウムでメッキをする方法で作りました。
作り方は幅3㎜の真鍮棒を厚み2.0㎜、幅2.5㎜強になるようにローラーで伸ばしてサイズが16号になるようにカットして丸めます。
ロー付けをして側面を平らに整え、
ストレート腕の6本を甲丸にしてから面を付けます。
残りの6本はカーブさせます。
画像のように金床(カナトコ)の木の部分の溝に指輪を置いて鏨と金槌で叩いてカーブさせて、
あとはヤスリで面を作り、仕上げてメッキをして完成です。
HPで公開する
指輪が完成したのでWORKSに投稿します。
名前はMATT & MIRROR(艶消しと鏡面)やFLAT SURFACE & CURVE(平面とカーブ)、ROUND/SURFACE(甲丸/面)なども考えたのですが、少し捻りの効いたデザイン=アクセントと考えて意味を調べると画像のように「~単調なものの印象を強め、人目を引き付けるために付け加えるもの。~」とあり、ピッタリで意味も分かりやすいので今回の指輪の名前はACCENTにしました。
メインの画像はシンプルな甲丸にカット面を作る、カーブを加えることでこんな指輪ができるということが分かるように12本を1つにまとめています。
ただの甲丸や平打ちよりもデザインが寂しくなく、結婚指輪としては需要がありそうなのでHPの目立つ場所、トップページのフォトギャラリーにも追加してACCENTページへのリンクを張っています。
まとめ
結婚指輪で足りないサンプルは何かを考えて、シンプルで飽きが来ないけれどデザインに少しアクセントのある指輪を作りました。お客様にはこの見本を元にイメージを膨らませてもらえればと思います。金額も幅以外は特に追加料金もかかりません。
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