【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】

結婚指輪の新型として写真の不均一なサイズのボールと立方体がランダムに連なったリング、

それからレディースのボールリングを使って写真のようなアレンジリングを作りワークスのページに投稿しました。今回はこの指輪が完成するまでを説明していきます。

デザインを考える

結婚指輪の定番デザインで写真のようなボールリングとスタッズリングがあります。

基本デザイン　パターンの「ブロックス」はそこから着想を得て5種類のブロックを繰り返して指輪にしています。

この指輪があるのでボールリングもイメージできると思い、サンプルは用意していませんでした。

ただ、ほかの指輪サイトを見ていると手前3つの指輪、ボールリングや表面を平らにしたボール「シルエット」のリング、ボール「シルエット」で石留めしてある指輪はよく見るので当店でも追加することにしました。

同じ大きさのボールが繰り返される指輪だと「ブロックス」とそこまで変わらないので、画像のように大きさを変えてシャボン玉のイメージでランダムに配置したデザインで作り、結婚指輪ページに追加することにしました。

このボールリングはレディースはいいのですが、結婚指輪としてペアで着けることを考えるとメンズとしては可愛すぎるので画像のように同じ配置でボールの代わりに正方形の立方体にします。

このデザインならレディースとのペア感もあり、男性でも違和感なく着けられると思います。

原型を作る

まずはボールと立方体リングの原型が出来るまでを説明していきます。

最初にCADで直径が2.5、3.0、3.5、4.0㎜の4種類の球体を作ります。これを幅5.0㎜の枠の中に収めてランダムに配置します。

この後底の部分は指輪にしたときに平面に削るので強度が弱くならないように球同士の設置面を調整していきます。

メレを中心に1PC入れることを考えて一番大きい直径4.0㎜のボールを中心に据えました。

平面のボールを形状は保ったままでリングの円状に並べます。

この状態から球体を一つずつ立方体で囲っていきます。

球と立方体を分けて、それぞれの集合体を合体させてリングサイズの円柱でくり抜いて指輪のデータは完成です。今回はサイズは16号で作りました。

球と立方体のリングは2本を湯道でつないで造形、ゴム型、鋳造に出します。

指輪を作る

今回のボールリングとキューブリングは結婚指輪に追加するだけでなく、アレンジした形はワークスへ投稿、フォトギャラリー部分にも載せます。

こちらが完成形なのでこの画像の順番にサンプルの作り方の説明をしていきます。

①は基本のボールと正方形ブロックリングを並べてその横にそのアレンジであるCADで作った指輪を並べました。

銀色の正方形ブロックリングはブロックスの上部をヤスリで削って作りました。

ボールリングはパーツ屋さんで売っている幅3㎜の半球が連続するシルバー板を使って作りました。

 

どちらの指輪も厚みは1㎜で薄すぎるので実際のオーダーでは原型として使うことはできませんが、正面から見た時のイメージが掴めると思います。

③画像の上の指輪は先ほどの半球が連続するシルバー板を球の部分が内側に来るように丸めたもので、下の指輪は今回作ったボールリングをヤスリで上部を削って作りました。ちなみにこの写真は金メッキで作った指輪を画像修正で脱色して銀色にしています。

上部を削りの指輪はキューブの方も試してみましたが、形がイマイチなのでサンプルに追加は止めました。

④の画像のAは①で出てきたボールリングの下半分に石留めしたものです。

ドリルで1.5、2.0、2.5㎜のキュービックをボールの大きさに合わせて留めました。

BとCは画像のように別パーツを用意してロー付けしています。

Dはボールの一つの上部を削って1㎜のシルバー線を差し込んでロー付け後にメッキしてからパールを留めました。

B、C、Dはトップの大きさを7㎜で揃えました。

Aは結婚指輪のオーダー＋ダイヤとその留め代、Bは結婚指輪のオーダーにトップパーツの地金代＋ダイヤとその留め代、Cは婚約指輪のオーダー、Dは結婚指輪のオーダー＋パールの接着加工代になります。

ワークスへの投稿ではリフォームも考えてC´D´の中石、パールはお持ち込みということで金額を出しています。

最後にフォトギャラリー②のイラストについて説明します。

画像のようなエタニティリングタイプ、平面、ボール、今回作ったボールの大きさと配置がランダムタイプの4本を正面から見た図にしています。

斜めから見るとこのようになっています。

この②の候補はボールリングのアレンジと考えて他にも2パターンのイラストを作りました。

HPで公開する

まずはボールリングをワークスに投稿します。名前はそのまま「BALL」です。

メインのアイキャッチ画像はフォトギャラリーでも使う4本の指輪が並んだ写真です。

 

シンプルな大きさが同じボールが一直線に並んだ指輪と今回作ったボールの大きさと並びが不均一な指輪を対比させて、どういったアレンジができるかを写真とイラストを使って説明していきます。

 


最後には4本の指輪の価格も載せます。指輪の幅の追加料金は直径2.5～4㎜のボールの平均に近い3.5㎜で計算しました。

先ほど説明したように左から3番目の透明石と4番目のパールはお持ち込みでの金額で計算しています。

次に結婚指輪のページで公開します。

ここまで書いてきた通り、メンズでボールリングは可愛すぎるので立方体で作ったキューブリングとのペアにして指輪の名前はブロックス(ランダム)にしました。

候補はたくさんあったのですが、「パーツが連なっている指輪」なので考えてみると基本デザインのBLOCKSのアレンジの一種です。

違いは同じ形のパーツの大きさが不均一、並びが不規則なだけなのでBLOCKS(RANDAM)という名前にしました。

結婚指輪ページでもBLOCKSの隣に並べています。

マリッジとワークスに投稿後にフォトギャラリー部分の画像をTOPページに載せて4枚目の画像にはワークスのBALLページへのリンクを張って完成です。

まとめ

結婚指輪と作品集のページにボールリングを追加しました。

今回のボールリングはシンプルな形から少し変えるだけでイメージがガラッと変わったので、アレンジ例の良い見本にもなったと思います。