①何のお店にするか決める
②他店の事を調べる
③どんなお店にするか決める
④HPの中身を考える
まで終わりました。
オーダー結婚指輪専門店を作る方法⑤ではお店に一番必要な商談で使う見本をどんな物を用意するか考えます。
・ブランド感が出すぎない
・良い意味で普通
・シンプルで主張しないお店
・流行に左右されない
このホームページの内容からどんなデザインのサンプルを用意するか考えてノートに書いていきます。
1、オーダーサンプル
(幅、素材、コンビ、テクスチャー、石留め見本)
2、結婚指輪サンプル(基本デザイン)
3、婚約指輪サンプル
4、加工工程サンプル
この4種類を用意します。
指輪のサンプルは他店を比較した事を生かして自分が好きなデザインを作るのではなく、どのお店も用意している見本、接客の時に使えるお客様に求められるデザインを用意しておきます。
ホームページの写真にも使うので単体ではなく、何本か合わせて使う事も考えてデザインや色も考えて作ります。
特に色はたくさん使うとホームページはゴチャゴチャするので極力色を抑えます。
まずは
1、オーダーサンプル
(幅、素材、コンビ、テクスチャー、石留め見本)
これをどんなものを用意するか考えます。
サンプルは既製品と違って金やプラチナの現物は持ちません。
あくまでサンプルなので地金見本はシルバーより安い真鍮で作ってメッキをします。
透明石はダイヤモンドではなくキュービックジルコニアを使います。
と言っても表面何ミクロンは本物の金なので見た目は本物そのままです。
あとで追加することもできるのでまずは定番品を用意します。
サンプルはこだわるとたくさん用意したくなりますが、まずはお金をかけずに用意することにこだわります。
写真は大手のセミオーダーを参考に以前作った見本です。
本当に必要最低限のデザインになっているのでこれを元に考えてパターンを増やします。
他店をたくさん見ると分かりますが、指輪のデザインは断面形状はほぼ同じで素材、幅、模様などを組み合わせて種類を多く見せています。
例えばこのリングは
・形状は甲丸
・艶消しの槌目模様
・幅3㎜
・素材はプラチナと金のハーフコンビ
という組み合わせです。
フルオーダーといってもほとんどがこういったパターンの組み合わせです。
お客様が選びやすいようにシンプルな状態に分けてサンプルを用意します。
例えば、3のパターン(模様)は
・鏡面・・・仕上げの一部、1種類
・艶消し・・・仕上げの一部、ホーニング、
ダイヤモンドポイントなど数種類制作可
・槌目・・・仕上げの一部、槌の形状を変えて
大と小の2パターン制作可
・彫留め・・・石留めの4点留めの連彫り、
覆輪、星留め、マス留めなどを追加
・ミル打ち・・・彫りの一種
という風に加工内容で分けることができます。
加工内容で分ければこれ以外のパターンも追加することができます。
以前の職場でも同じようなセミオーダーサンプルを作っていたのですが、もっとこうしたらいいのではないかと思いながら使っていました。
指輪の写真はないのでその時作った仕様書です。
今回作ったサンプルはさらに細かく考えて不要と思われる物を抜かして必要なものを追加してある程度納得いくサンプルになりました。
そして見本のいくつかは指輪ではなく棒にしました。
テクスチャー(仕上げ)見本
仕上げは鏡面と艶消し(スポンジヤスリでこする)以外の7つを用意します。
1、ホーニング
2、ダイヤモンド荒らし
3、タガネ荒らし
4、クロススクラッチ
5、槌目 小
6、槌目 大
7、ストライプ
ホーニングは専用の機械が必要なので外注依頼になります。
他に関してはタガネを加工してオリジナルで作ります。
石留め見本
彫留めは連彫りをやめて1石ずつ表示で
1、4点留め
2、覆輪留め
3、マス留め
4、星留め
5、後光留め
この5つを用意します。
彫りの連彫りはリガードリングで説明できるので用意しません。
彫留めは彫り始めと終わりを白色のようにキチッとするタイプ(四角形)と金色のように流すタイプ(三角形)があるのでその2つも用意しておきます。
色石も合成石などを使ってコストを抑えます。
今回、エンゲージサンプルの中石留めは自分でしましたが、彫り留めはHP公開を優先して外部に依頼しました。
このリガードリングはHPで使うには留めがイマイチなので作り直すかもしれません。
もしくはメッキ前にナナコたがねで爪を丸くし直す位はしておくべきでした。
メレの彫り留めに関してはとりあえずこれだけあれば説明できます。
形状と模様は内容が重なる部分もあり、ややこしいので分かりやすい幅、素材から考えます。
幅見本
まずは幅ですが、最近の傾向としてレディースが2㎜、メンズが3㎜が多いです。
2㎜からキリのいい5種類、6㎜までの平打ちリングを男性用の大き目サイズで用意します。
これはお客様につけてもらって幅の確認をしてもらうために用意します。
地金見本
地金の素材は定番のプラチナ950と900、18金のイエロー、ピンク、それからホワイトはメッキが必要なのライトイエローとメッキ不要のライトグレーの種類を用意します。
素材に関しては純金、木目金、などもありますが、良い意味で普通のお店を目指しているのでこの6種類のみとしました。
多すぎるとお客様が迷う事にもなります。
コンビ地金見本
そしてコンビリングですが、金色は真鍮、銀色はシルバーで作ります。
このサンプルはメッキはしません。
コンビリングもたくさんデザインを見かけますが、大きく言ってこの4種類があればオーダーメイドでは説明できます。
・仕上げ(テクスチャー)
・石留め
・素材
この3つに関しては指輪ではなく、板の見本にすることにしました。
というのも以前はそれぞれ指輪状のサンプルでお客様が何本も指に着けて外してが大変そうと感じたました。
棒状なら指の上に乗せるだけなのでどんな風になるか見るのに最適です。
また素材のサンプルに関しては本物を用意するので重量が指輪に比べて半分位になるので材料費が安くなります。
今回完成した棒は仕上げと石留めに関しては東急ハンズで売っている真鍮の3㎜角棒を(1メートルで1000円しません。)ローラーで2㎜に薄くして3㎝幅でカット、テクスチャー入れ、石留めをして板の端にドリルで穴をあけました。
あとはロジウムメッキをして完成です。
素材に関しては画像のワイヤーワックスの甲丸タイプを3㎝に切って6種類の鋳造地金で依頼をしました。
ゴム型を取る必要がないのでこの方が安く作れます。
鋳造上りの仕上げ、穴開けをして完成です。
穴に紐かキーリングを通して素材、テクスチャー、石留めごとにまとめます。
指に乗せて雰囲気を見るのであれば縦幅は3ミリ、横幅は3センチメートル位が使いやすいと思います。
今回完成させて気が付きましたが、画像のような幅3㎝の甲丸棒に丸カンをつけてシルバー原型のゴム型を取って素材、テクスチャー、石留めごとに作ってもいいかもしれません。
穴あけをする手間が減る事と表は甲丸、裏は平打ちなので1枚の板で2パターンを見せることができます。
幅のリングに関してはチューブWAXを買って作ると手間なので真鍮板を幅ごとに切って丸める方法やホームセンターで売っている安価な素材のパイプを幅ごとに輪切りにして整える方法もあります。
今回は2の方法で用意しました。
1、オーダーサンプル
(幅、素材、コンビ、テクスチャー、石留め見本)
は以上です。
次は
2、結婚指輪サンプル(基本デザイン)の
作り方です。
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