【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】

パズルコンビリング①で作った指輪は正面から見て左右に分かれるハーフコンビタイプが重ねたときにずれてしまうのでの他の指輪もすべて溶接するタイプに切り替えました。

ただ、やはり溶接をしないパズルのように取り外しが出来るほうがインパクトもあるのでデザインを考え直すことにしました。

原型データを作る

どうすれば溶接なしで上手く組み合うかをCADで動かしながら作っていきます。

こちらが完成したデータです。

制作の流れはまず、上から見て円の４分の一の凹みと膨らみを作ることで外れないハーフコンビができました。

続いてハーフコンビの応用で上下コンビも作ります。

パズルコンビリング①と同じで
どちらも同じ形を反転させて重ねればいいので原型は一つで済みます。

次にハーフコンビと上下コンビだけでなく、上段左端のよなうな一部だけ色が違うコンビリングも作れないか試してみることにしました。

左右コンビと上下コンビと同じように2つの同じ形のパーツを重ねて指輪にするタイプができないか試してみましたが、これはできなかったので2つの形の違うパーツを組み合わせるタイプになりました。

上のイラストが出来上がり予想図です。

上から見たときにハーフや上下コンビとの対比がきれいなので一部のコンビは外側4分の1(クォーター)コンビで作りました。

ハーフ、クォーター、上下を並べるとバランスも良さそうなのでこのサンプルを作ることにしました。

このブログではお馴染みの原型を一つにまとめる方法でコストを抑えて樹脂原型を依頼します。

サンプルを作る

樹脂原型、ゴム型から地金の鋳造を依頼します。

写真のシルバーと真鍮の指輪でコンビリング4本を作ることができます。

前回のパズルコンビリング①と作業は変わりません。

指輪同士を繋ぐ湯道をカットして、

2つのパーツを重ねて接着、外側を艶消し、内面を磨いたあとに接着を外して重なっていた部分の処理をして完成です。

今度はパズルのようにカチッと嵌まります。

重なった部分も指輪押すことで問題なく外すことができました

溶接をしないことで写真のようにもう1本パーツを持っておけばコンビと単色の切り替えができます。

ちなみにパズルコンビリング①と同じようにWAXパターンを重ねることで３層のリングを作ることもできます。

３層タイプはどうなるかをCADでシュミレートすると上のようになります。

実物がないので分かりやすいように３色にしました。

上下は前回とほぼ変わりませんが、その他の形が個人的に魅力を感じなったのでサンプルは作りませんでした。

４本のパズルコンビリングができたのでホームページとSNSに投稿していきます。

HPとSNSで公開する

ワークスに投稿するのでパズルコンビリングの名前を決めます。

関節の出た指輪で名前の決め方は書きましたが、指輪の形にふさわしい英語の名前を付けます。

ハーフと上下コンビリングだけで考えていた当初の候補はHALF「半分」、TWIN「双子」、SYMMETRY「(左右の)対称、釣り合い、調和」、MIRROR「鏡」、UP＆DOWN「上下」、DIVIDE「分割」、PAZZLE「パズル」、BISECT「2等分」、ASSEMBLE「組み立て(組み合わせ)」、PARQUET「寄木」などがありました。

2つの形が違う指輪の組み合わせのクォーターコンビリングが加わった事と組み合わせてデザインを変えることができる点が一番の特徴なので候補の中のASSEMBLE(アセンブル)という名前を選びました。

このアセンブルは結婚指輪の基本デザインに加えるか迷いましたが、コンビリングにもカテゴライズできるのでとりあえずWORKS(作品集)のページに追加します。

パズルコンビリング①で作った溶接が必要な２層と３層の指輪をASSEMBLE1、

このパズルコンビリング②で作ったパズルのように取り外しができる２層の指輪をASSEMBLE2として投稿します。

当初はパズルコンビリング①と②をまとめようかと思いましたが、溶接が必要だとパズルリングとは呼べず、デザインとして別物になるのでワークスには1と2で分けて投稿しました。

どういった指輪でどんなアレンジができるか等、ここまで書いてきた内容をお客様向けに書き直してあります。

インスタグラムにはアセンブル1と2を分けてそれぞれ関連画像などを12枚1セットで投稿しました。

一見シンプルですが、他で見ないデザインでお客様の目を引きそうなのでトップページのフォトギャラリー部分にも上の4枚を追加しました。

価格設定

価格は幅3㎜の基本料で12万円からにします。

溶接作業はないので幅6㎜の3連の場合は基本料10万円＋幅2㎜→6㎜に変更の8万円で合計18万円となります。

幅3㎜の片側を追加したい場合は1本当たり3万円にします。

これは3連と2連の差額で3連の中心パーツが6万円なのでその半分の重量の片側パーツはその半額だからです。

これだと3㎜幅の2連に片側パーツを1本追加しても合計15万円です。

WORKS公開後にPRICEページのコンビリングの場所にこの内容を追加します。

まとめ

パズルリング　アセンブルの上下、ハーフだけでなく、4分の1コンビの3パターンができました。

組み合う2つの指輪を指定サイズで原型から作る必要があるのでオーダーメイド向きのデザインだと思います。

正面からはただのコンビリングですが、溶接をせずにかみ合わせで固定しているだけなので、組み合わせることで単色、コンビ、３色など色とデザインを変えることができるので時間を見て他のアレンジ例も作るかもしれません。

内側も表面と違ったデザインなる点もポイントです。