ジュエルクラフト東京

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オーダーメイドの指輪を
作る過程#054
メメント・モリ リング①

メメント・モリ リング1-1
結婚指輪の新型として骸骨模様の入った「メメント・モリ」リングを作りました。カテゴリはヒストリカルに入れています。この指輪ができる過程を①と②の2回に分けて説明していきます。

 

「メメント・モリ」リングとは

メメント・モリ リング3
メメント・モリとはラテン語で「死を忘るな」という意味の警句で英語で言うとメメントはメモリーで心に留める、モリはモータルで人は必ず死ぬ運命ことになります。

もともとは古代ローマで戦争に勝利して凱旋パレードをする将軍が傍にいる使用人に明日はどうなるかわからないという自戒の意味を込めてこのメメントモリという言葉を言わせていたそうです。

ただ、古代ローマではそこまで使われず、明日死ぬかもしれないから今を飲んで食べて陽気に過ごせという趣旨のcarpe diem(今を楽しめ)という言葉と同じような解釈で受け取られていました。

その後、キリスト教では来世での魂の救済が重要視され、現世での成功などは空虚なものなのでで生に執着するなという意味でこのメメントモリという言葉が使われるようになったと言われています。

キリスト教の芸術作品のモチーフとして広く使われ、終末観の高まった中世ヨーロッパで骸骨を描いた絵画などこのメメントモリを連想させる多くの芸術作品が生み出され指輪もその一つでした。

 

メメント・モリ リング31
今回の「メメント・モリ」リングは日本国内のサイトではあまり情報がなかったので海外サイトで調べました。

骸骨が彫られた金と黒のエナメルの組み合わせたこの指輪はスケルトンリング、スケルタルリングという名前もありましたがメメントモリという名前を使っているサイトが圧倒的に多かったです。

手作りなので一つ一つ違いますが、指輪の幅に合わせて骸骨の全身とそれに関連するモチーフが指輪の外側を一周覆っているデザインがこの「メメント・モリ」リングの特徴のようです。

最古の例は1695年製のもので2本の骨を交差させたクロスボーン、愛の双子のハート、時間の経過と人生の短さを象徴する砂時計が彫られています。

ほかにはクロスボーンと対比させるように交差させた墓穴を掘るためのスコップとツルハシ(ピックアクス)、死に関連した花などが模様として入ることが多いようです。

模様としては歴史的な意味もあり、黒のエナメルをなくせば結婚指輪としても使えそうなので幅3㎜のサンプルを作ることにしました。

 

原型のイラストを作る

メメント・モリ リング4
メメント・モリ リング5
サンプル制作のために見本となる「メメント・モリ」リングの画像を集めます。今回は画像の中から定番の形はなんだろうと考えながら作りました。

まずは骸骨部分ですが、頭蓋骨は正面か斜めか、肋骨の数や骨盤の形などは集めた指輪画像に統一感がなかったので骸骨の全身イラストで検索してそれを参考に作りました。

指輪の淵込みで幅3㎜に収まるように全身を作らないといけないので造形で問題ない形に簡略化します。

 


こちらが完成したイラストです。実際の骨格から考えると正面から見て背骨が全て見えるのはおかしいのですが、参考にした指輪はほとんどがそうなっているのであえてそちらに合わせました。

クロスボーンも同じ理由で先端に丸が付くのが定番のようなのでアンティークで見るデザインに合わせています。

太もも部分の骨は手で、足の骨と同様に小さすぎると造形できないので簡略化させています。

メインの頭蓋骨も歯の骨は造形に耐えられるように口の部分に溝を入れた形にしました。

骨以外では先ほど書いた砂時計、ダブルハート、スコップを用意しました。

それからスコップとツルハシですが、調べたサイトに鎌と書いてあり、死神の持つ鎌で死を連想されるので違和感なく作ったあとに調べ直すとツルハシであることが判明しました。

このブログは原型完成後に書いているので今回は鎌の模様を使ってイラストは修正しておきます。

 

原型のデータを作る

メメント・モリ リング32
イラストが出来たら指輪のデータを作っていきます。今回は3㎜幅で指輪の淵があるクラダリングをベースにサイズは16号で作っていきます。淵があるので2.5㎜以内に作ったイラストを収めるイメージです。

 

メメント・モリ リング8
メメント・モリ リング6
このクラダリングの編み込み部分の隙間が原型として造形できるギリギリの隙間になっているのでメメントモリのパーツと並べて造形が難かしそうな部分は修正していきます。

16号の場合は内周が56.6㎜あります。この外側に模様を配置することを考えて骸骨とその他のモチーフを並べてみると少しスペースが開いてしまいました。そこで足の部分を伸ばして調整しました。これ以上のサイズでオーダーが入った場合は肋骨の数を増やしたり、別のモチーフを増やす予定です。

サイズを縮める場合は反対に他のモチーフの数を減らす、下半身の骨を短くすることで対応する予定です。

今回の指輪はクラダ同様に甲丸にするので画像のようにカーブさせてから指輪の形にしていきます。

 

メメント・モリ リング7
メメント・モリ リング1
骸骨模様はインパクトがありますが、好き嫌いがあるデザインなので指輪の内側に模様を入れたシンプルな甲丸リングを2本目のサンプルとして作ります。刻印の代わりのイメージです。

 

エタニティリング 追加画像3
オーダーメイド リガードリング12

これはリガードリングのときに色石が目立ちすぎるので
側面に石を入れたのと同じです。

 

メメント・モリ リング9
これで外側と内側に模様の入った指輪ができました。

コストを抑えるため、2本の指輪は合体させて1つの原型として造形、ゴム型を取ります。

メメント・モリ リング②では樹脂原型からサンプルの完成とホームページで公開するまでを書いていきます。

 


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