【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】
クラダリング/宅配対応①ではご納品までにお客様がすることを
STEP1 指のサイズとクラダリングの形の確認
STEP2 お振込みと指のサイズのメール
STEP3 サイズ確認リングの試着と刻印決め
STEP4 ご納品
の4つに分けてSTEP1まで終わりました。
STEP1は無料のお見積りで、STEP2からは正式なオーダーとなります。
STEP2 お振込みと指のサイズのメール
サイズゲージと見本の真鍮リングが届いたお客様からお二人の指のサイズの連絡があり、内石追加などを加えたオーダー料金の振込み完了のメールも届いたのでサイズ確認用の真鍮リングを発送します。
STEP3 サイズ確認リングの試着と刻印決め
キャストは時間がかかるので3㎜の真鍮板をロー付けして、
平打ちリングを作って、
甲丸リングを作ります。
この試着用指輪と一緒に刻印記入シートも送ります。
今後の宅配対応のことも考えてA4に収まるように作りなおしてみました。
上は指輪のデザインに関して
下は手書き刻印スペースを作り、特典と補足説明などを書いてあります。
オーダーシートを少し作り替えてデザインで決まった部分は記入しておきます。
事前に手書き刻印希望とご連絡があったので手書き用のスペースを付けました。
できたらA4で印刷して記入してもらいたい部分に目印をつけます。
A4で拡大して書くのでレーザー刻印が細くなり過ぎないためとペンを探す手間をかけないように記入用の黒マジックも同封しておきます。
これで試着リングの発送まで終わりました。お客様から最終の指のサイズ連絡が来たら本番のプラチナリングでの制作に入ります。
試着リングの発送から1週間ほど経ち、お客様からサイズの連絡がきたので原型データを作っていきます。
今回作るクラダリングは一周模様が入るタイプなのでサイズが確定するまで原型制作は待ちの状態でした。
(ちなみに事前にお送りしたPDFにはこの指輪はサイズ直しすると模様が消えるなどの了解事項も書いてあります。)
まずはクラダリングのCADデータを開きます。
このデータの編み込み模様部分の数の増減でサイズを調整していきます。
プラチナでのご依頼で一周模様が入っているのでWAXパターンになってからサイズ直しはできません。
プラチナでの完成時にピッタリサイズになるように樹脂原型のデータを作っていきます。
今回は鋳造時の地金の収縮で少し小さくなり、芯金に入れてのサイズ出しと内面仕上げで少し大きくなるので出来上がりの0.3号小さめで原型を作りました。
2つの指輪原型ができたら指輪同士を画像のような板状パーツつなげて原型データが完成です。
これは液ゴム代を抑える目的と「同じ地金から分割した結婚指輪」という意味を持たせるためでもあります。
樹脂原型ができたらプラチナだけでなく、ディスプレイ用にWAXパターンと真鍮での鋳造も依頼します。
鋳造上がりから完成まで
プラチナになって鋳造から上がってきたので早速仕上げていきます。
まずは二つにカットして湯道を削ります。
サイズ出しと真円を出して
内面を磨いたらレーザー刻印を入れます。
鋳造待ちの間にお客様から記入した手書き刻印を書いたオーダーシートが届いていたので、この用紙をスキャンしてイラストレーターのデータを作ります。手書き刻印は文字の薄い部分もあるので画像修正でコントラストをはっきりさせます。
内石の場所指定の丸も消して宝石の入るスペースを微調整します。
これでレーザー刻印を依頼します。
刻印が入って誕生石を留めたら軽く指輪の内面を磨いて完成です。
STEP4 ご納品
結婚指輪が完成したらオーダー特典のフォトアルバムを作るので画像を用意します。
ヨドバシカメラにある専用プリント機で全8ページで約1000円で作ることができます。
以前に作ったフォトアルバムのレイアウトを参考にどのページにどの画像を使うかを決めてからUSBに入れて持っていきます。
こちらがご納品した(発送した)品物です。
今回から結婚指輪のリングケース(もしくはリングピロー)はリングトレイとロゴ入りのミニリングケース2個になっています。
品物到着後にお客様から大変満足しましたというお礼のメールも頂きました。
HPに投稿する
ご納品が終わったらホームページのワークス(作品集)のページでオーダー事例として投稿します。
このブログのように専門的すぎる内容ではなく、一般のお客様向けに内容を書いていきます。
タイトルはCladdagh #1 にしました。
まずはクラダリングの説明ですが、これはマリッジリングのページのCladdaghで詳しい説明をしているので重複しないようにここでは短く終わらせてリンクを張ります。
宅配で受注したことや誕生石、手書き刻印が入ったことなども書きます。
PDFでお送りした了解事項には「お受けした加工内容はお名前を伏せてホームページで公開させていただく場合がございます。公開不可の場合はお申し付け下さい。」という一文が入っています。今回はFROMの後のお名前部分が漢字なので個人情報なのでピクセル化しています。
同様にお住いの地域(このブログでは遠方と書いています)、金額(料金表を見れば計算はできます)などお客様が知られたくないと思うような情報はわからないようにしておきます。
ワークスに投稿が終わったらインスタグラム、ピンタレスト用に画像を用意します。
今回はフォトアルバム用に作った24枚から12枚を選びました。
ここまで終わってからこのブログを書いています。
まとめ
これでブログのクラダリング/宅配対応②は終わりです。
口頭で説明するのと違って必要な部分を文字に起こしてPDFにまとめたり、質問によってはリンクを貼ってメールをしたり、宅配用に色々と用意するものがあったりと、お客様に一度も会わない完全な宅配対応はこれまであまり書いていない内容なのでまとめてみました。
20210430追記
オーダーメイドの指輪を作る過程 #090 注文書と特典の変更
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