長方形の片側を180°捻って繋げる
「メビウスの輪」の結婚指輪を作りました。
輪の裏表がなくなる「メビウスの輪」は
「永遠」を意味するということで
結婚指輪では定番デザインとして定着しています。
メンズは幅3㎜、レディースは幅2㎜です。
レディースは
正面の捻り部分に1.0㎜のダイヤモンドが
7ピース留めました。
どちらの指輪も
捻り部分は指輪全体の4分の1程、
素材はK18イエローゴールド、
テクスチャーは浅めの荒らし仕上げを施しています。
刻印は将来サイズ直しをする場合に
デザインを崩さずに
指輪の真下にできるように
2箇所に分けて入れています。
内石はそれぞれご自身の誕生石、
メンズが1.5㎜のムーンストーン(6月)、
レディースが1.3㎜のタンザナイト(12月)が
留まっています。
リングピロー、原型、ゴム型などの特典は
木箱に入れてお渡ししました。
今回は最初の打ち合わせ時と
ご納品の2回ご来店していただき、
ご注文からご納品までの期間は2か月ほどでした。
ご納品時には写真撮影をして
フォトアルバムを後日郵送しています。
お客様には最初のご来店日までに約30分ある
「結婚指輪のデザインの決め方」の動画視聴を
お願いしています。
事前にオーダーメイドリングの知識がある事で、
最初の打ち合わせでも納得して
デザインを決めていただくことが可能です。
今回は大量のサンプルを比較した結果、
シンプルな捻りの指輪を作ることになりました。
当店では基本デザイン(形状)のツイストという
カテゴリになります。
基本デザインのツイストは
平面の板を捻ってから丸めることで
膨らみと凹みが生まれる
立体的な形状の指輪です。
サンプルは幅2㎜(金色)と3㎜(銀色)で
全7種類をご用意していて、
指輪の名前の90、180、360などの数字は捻る角度、
()内は緩く、きつく、戻すなど板の状態で
どのように捻るかを表しています。
この7種類のペアリングは
伝統的な鍛造技法で地金板を曲げて作っています。
今回、ご注文いただいた捻りの指輪は
デジタル技法で原型を作っています。
これは手作業では難しい捻り幅の微調整、
左右対称性の確保ができるだけでなく、
お客様に立体原型データをメールでお送りして
確認していただくことで
出来上がりイメージの誤差が
出ないようにするためです。
リングサイズも捻り部分には隙間ができるので
サイズゲージと同じサイズでメビウスリングを作ると
多少緩く感じることがあります。
手作りよりも手間をかけずに、
見た目のバランスも崩ず、
指に当たる部分を増やしてリングゲージと同じ
フィット感になるように微調整できるので
ご注文の品ではデジタル技法を選択しています。
原型データはそのままデザイン画に変換できる事も
デジタル技法の利点でもあります。
例えば今回の場合、
メンズの指輪は
①レディースに合わせた幅の捻り
②レディースと同じ幅の捻り
レディースの指輪は
①ダイヤモンド5石で4点留め
②ダイヤモンド7石で共有留め
のどちらにするかを
比較イラストをPDFにまとめてメールを送り、
デザインを決めて頂きました。
このように当店のオーダーメイドでは
デジタル技法を活かして
お客様の決めたデザインに
職人から改良やご提案を加えることで、
シンプルでもご満足いただける
世界で一つの指輪を目指しています。