お持ちのアメシストの指輪をリフォームして
ペンダントネックレスと
ベビーリングを作りました。

リフォーム前は写真のような
２月の誕生石アメシストが
留まった指輪でした。

石座の装飾は唐草、

プラチナ刻印はP.mのみで純度が書いていないので
少なくとも数十年前のデザインだということが
わかります。

お客様にお話を伺うと40年以上前に
旦那様から2月の誕生石であるアメシストの指輪を
婚約指輪として贈られたそうです。

ただ、指輪はあまりつけないので
ペンダントにリフォームしたいとのこと。

デザインに関しては

１、宝石を横向き
２、中吊りタイプのネックレス
３、脇石ではなく、地金の装飾が欲しい

とのご希望でした。

石座の形は
このままも4本爪でいいということで、

1、石座を再利用するリメイク
2、既成枠から選ぶセミオーダー
3、地金の装飾をオーダーメイドで作り、
今ある石座と組み合わせる

という順番で説明していきました。

ご予算を聞かない場合は
金額の安い順番にご提案しています。

飾りを作る原型制作代と地金代、
飾りパーツと石座の溶接代で
オーダーで作る場合は５万円位からとなります。

ご予算に合わせて
安くてもオリジナリティが出せる方法を考えて
今回は切り取った腕を曲げて
飾りパーツにする提案などもしました。

ちなみに「リフォーム」という言葉ですが、
リメイクは古い地金枠を再利用、
セミオーダーは宝石を新しい枠に移し替え、
1から枠を作るのがオーダーメイド(フルオーダー)で
この3つ全てを含めてリフォームと言っています。

デザインの決定

最終的に１のリメイクに決まったので
お預かりして加工に入ります。

デザインは
宝石が大きく
シンプルでもインパクトがあるので
飾りなしの
中吊りタイプに決まりました。

石座に飾りを付けない代わりに
プラチナのチェーンを
大きいアメシストでもバランスが良く、強度もある
太いものにしてあります。

リメイクのデザインも決まったら
切り取って余ったプラチナの腕をどうするか
お客様と話します。

リフォーム時の余った地金は

1、ご返却
2、買取
3、リメイク

の3パターンが定番です。

現在はオーダーメイド専門で
買取はやっていないので
通常はご返却です。

今回は３のリメイクで
ペンダントトップにもなる
ベビーリングを作ることになりました。

ペンダントネックレス制作

リフォームの材料を用意して加工に入ります。

まずはお預かりした指輪の腕を
糸鋸で切り取ります。

腕を切り取った跡は
リューターを使って仕上げて、
仕入れたチェーンは真ん中で切って
先端に丸カンを取り付けます。
あとはチェーンのついたマルカンと
石座を溶接します。

爪に凹みをつけておいて
どの位置で丸カンを溶接すればいいか
わかるようにします。

この凹みはマルカンと溶接する時に
地金同士の接地面が増えるので
強度補強にもなります。

正面から見ると
このようになっています。

ベビーリング制作

石座から切り取った腕の
飾り部分を切り外します。

やっとこで断面同士を合わせて
バーナーでロー付け、
指輪を芯金に入れて
木槌で叩いて真円を出してから
仕上げたら完成です。

芯金は指輪用ではなく石座制作用の
小さいものを使っています。

完成したらご納品です。

婚約指輪が
旦那様が送った指輪の形も残しつつ、
ペンダントネックレス、ベビーリングに
生まれ変わりました。

男性側からすると
何十年も前に贈った指輪を
形が変わった状態でも
身に着けてくれるというのは
嬉しいものだと思います。

当店は指輪のオーダーメイドがメインですが
今回のような加工のお問い合わせもあるので
宝石のリフォーム、リメイク用のページとして
現在はOTHERSというページ作り、
加工代と材料代を載せてあります。

料金事例もあるので
すでにデザインが固まっている場合は
ご来店前におおよその金額がわかるように
なっています。