お客様からのご依頼で
アレキサンドライトの留まった
フリーサイズリングをお作りしました。
指の第二関節が出ていても根本でフィットするようにサイズは最小で15号、最大で20号に広げられるようにデザインしています。




幅は最大3.0㎜で
素材はPt950、仕上げは艶消しで
正面には直径1.0㎜のアレキサンドライトが
菱形状に4PC留めました。
今回も制作過程で出来た原型などはお渡ししています。
指輪のデザインを決める
今回のお客様は写真のシルバー製フリーサイズリングをお持ち込みで、このデザインで素材はプラチナ、誕生石のアレキサンドライトを入れて作りたいというご相談でした。




フリーサイズは和製英語で正式には「one size fits all」、「one size fits most」や頭文字をとって「OSFA」と表記されます。
店頭では写真ようなフリーサイズのオーダーサンプルをご用意しています。
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お客様が当店を知ったきっかけは店頭サンプルではなく、過去に作った写真のフリーサイズリングを見つけてとの事でした。
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当店のオーダーメイドは
指輪の①幅 ②素材 ③仕上げ(テクスチャー)
④石留め ⑤刻印 ⑥基本デザイン(形状)を
順番に選ぶことで誰でも簡単に
デザインを決める事ができるようになっています。
店頭サンプルを見ながら
幅、素材、仕上げなど
デザインの詳細を決めていきます




誕生石のアレキサンドライトは
正面の菱形部分に留めたいという事で
写真のような直径1.0㎜の小粒石メレ留めにすることになりました。
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アレキサンドライトはロシア皇帝アレクサンドル2世に因んで名付けられた宝石で、鉱物名はクリソベリル(⾦緑⽯)と言って、太陽光下では⻘緑⾊で、⼈⼯照明(⽩熱灯)下では⾚紫⾊になります。
これはアレキサンドライトに含まれる酸化クロムに光の青色と緑色を吸収する性質があり、青みが強い光では青色系の色を、赤みが強い光では赤色系の色を反射するために起こります。
2021年12月20日に全国宝石卸商協同組合は、63年ぶりに誕生石を改訂し、アレキサンドライトは6月の誕生石に追加されました。




今回はフリーサイズということもあり、通常のオーダーで作るサイズ確認用真鍮リングは無し、刻印も金種と石目のスタンプ刻印だけでOKということで、レーザー刻印がない分のお値引きをすることになりました。
デザインが決まったら納期、金額、特典などを説明して打ち合わせは終了です。
打合せで決まった内容をメールでお送りして正式なご注文となりました。
樹脂造形から指輪の完成まで
ご依頼をいただいたらまずは宝石の配置を決めます。
写真のように4PCの宝石を菱形に留めるデザインを3パターン考えて一番下のデザインに決まりました。
宝石の配置が決まったら原型データを作っていきます。
ご希望の凹み型(A)に石留めをするとバランスが悪いと感じたので、凹ませないカット面タイプ(B)も作ってご提案しました。




ベースになったのは写真の指輪です。
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メールでBタイプという回答があったので完成形とは違う、ゴム型を取るための原型データを作っていきます。
画像のようにフリーサイズの展開図を作り、
先端同士を繋げた指輪を作って、




樹脂原型ができたらゴム型を取って、WAXパターンを取り出し、




プラチナで鋳造、完成図のように曲げてサイズ出しをします。
宝石を留めて、刻印を打ち、艶消し仕上げにしたら完成です。
ペンライトで紫外線を当てると写真のように⻘緑⾊から⾚紫⾊に変化します。
指輪のお渡し
今回のフリーサイズリングは1枚の写真では構造がわかりにくいので4方向から撮影して1つにまとめました。
今回は結婚指輪の作り直しのようなオーダーだったので、制作過程でできた原型などは通常の木箱ではなく、簡易的な箱に入れてご納品しました。