【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】
マリッジリングに続いてエンゲージリングのオーダーについての動画を作りました。
マリッジリングの動画は打合せの時にお客様に説明している内容を30分にまとめてHPの目立つ場所にリンクも張ってあります。
ご来店前にこの動画を見ていただくことで説明する時間を省くことができて、サンプルを見る前にオーダーメイドでどういう指輪を作るかのイメージもしやすくなります。
作るのが大変だったので婚約指輪の動画を作る予定はなかったのですが、改めて考えてみるとダイヤモンドのお持ち込み、ダイヤモンドのグレードの説明、男性一人でご来店の場合等、説明することは多いのでまとめることにしました。
今回はこの婚約指輪動画を作ってHPで公開するまでを説明していきます。
プロポーズリングを追加する
ブログ#015 プロポーズ用リングでは男性一人でご来店の際に画像のような一目で偽物と分かるレンタル用プロポーズリングを用意していました。
プロポーズ後に本物ではないと説明すれば良いのですが、0.3ctサイズ位キュービックジルコニアが留まったプロポーズリングだと本物と思ってしまい、好みのデザインでない場合、一瞬ですがお相手はショックを受けると思うのでプロポーズ用と分かるデザインで作りました。
お客様にはダイヤモンドの良いカットの説明用に直径10㎜でエクセレントカットのキュービックジルコニアを用意しています。
今回の動画にはプロポーズ時の話も入れたかったので、この透明石を使って新しいプロポーズ用リングを作ることにしました。
ダイヤモンドでは直径10㎜は3.5ctです。このサイズならプロポーズの時に本物ではないことは一目でわかるので紛らわしいこともないと思います。
婚約指輪では6本爪が定番です。既成のシルバー石座では直径10㎜のラウンドカット用は売っていません。原型を1から作るのも手間がかかるので、今回はラウンドで6㎜用の既成のミルクラウン石座を使います。
ミルククラウンとは牛乳などの若干の粘性を持つ液体に同じ液体を一滴落とすと王冠状の形を形成する現象のことです。この現象から爪の先端に丸玉がついた石座はミルクラウン爪と呼ばれます。
ただ、6㎜用の石座では10㎜の石を留めるのに爪の長さが足りません。
そこでまずはミルクラウン爪の先端の0.9㎜のドリルで穴を開けて、直径0.9㎜のピアスポストを差し込みます。先端がすでに細い通常の六本爪ではこの作業ができません。爪にポストを差し込んだらロー材で溶接して膨らんだ部分を削って10㎜の石が沈むように矢坊主で石座を開くことで10㎜の宝石も留めることができます。
あとは指輪の腕と溶接して仕上げれば完成です。指輪の腕はサイズは15号、幅1.5㎜の真鍮で作りました。
あとは銀色のロジウムメッキをして完成です。
ワークスに投稿済みのPROPOSE RINGの画像を差し替えて文章の一部を修正したら完成です。
アイキャッチ画像は写真のような3本のプロポーズリングにしました。
内容も透明石タイプと地金タイプから選べることを書いてあります。
婚約指輪についての動画を作る
結婚指輪の動画では画像のように重要な部分の説明を簡潔にまとめました。
婚約指輪の動画は結婚指輪と重複している部分も多いので、その続編のような形にすることで長くなり過ぎないようにします。
婚約指輪の関してはHPでは
1、ダイヤモンドの品質、価格について
・ダイヤモンドの4C、
・婚約指輪ではどんなダイヤモンドを選べばいいか
・ダイヤモンドの価格一覧
2、婚約指輪のオーダー前に
・男性一人でご来店の場合
・プロポーズ用リングをレンタルできる事
・指輪ではなく、ペンダントにする
3、婚約指輪のオーダー方法について
・婚約指輪のデザイン決めの手順
・婚約指輪のデザイン見本一覧
というような内容を書いているので、この3つをまとめて1本の動画を作ります。
今回はHPで公開している内容を画像も新しく追加して文章も一部修正してからパワーポイントで動画を作ります。
業界的には合成ダイヤモンドを積極的に売り出す大手の会社も出てきたので、今回改めて過去に書いた内容を見直して「婚約指輪はどうして天然ダイヤモンドでないといけないのか」等も追加しようと思い、調べてまとめてみました。
ダイヤモンドはお持ち込みの場合は選び方やその価値についての説明は不要なので
1、婚約指輪のオーダー前に
(宝石お持ち込み、プロポーズ前の方向け)
3つのオーダーコースの説明
婚約指輪のオーダー手順
2、ダイヤモンドの選び方
(ダイヤモンドをこれから購入する方向け)
4Cと蛍光性について
おすすめのグレードについて
3、ダイヤモンドについて
(ダイヤモンドについて詳しく知りたい方向け)
希少性/歴史/天然と合成の違い
/紛争ダイヤモンド/鑑定書
という風に3つのパートに分けて後半をダイヤモンドについての説明にして必要な部分まで見てもらうことにしました。
作業手順としてはホームページにアップ済みの先ほどの3つ「エンゲージリング(婚約指輪のオーダー方法)」「婚約指輪のオーダー前に」「ダイヤモンドについて」の内容を整理、深掘りして追加修正します。
この追加修正のために大分イラストを作り直しました。HPだけではもったいないのであとでまとめてSNSに投稿もします。
鉱山やダイヤ原石、宝石の加工風景などの写真は充実したフリー素材のサイトを見つけたのでそこからダウンロードして使っています。今回は動画を作るための文章修正と画像作りに大分時間がかかりました。
サイトのページの修正が終わったら、その内容をコピーして結婚指輪の時と同じようにパワーポイントを使って動画を作っていきます。
結婚指輪動画を編集して作ればスライドの切り替え秒数や音楽の設定なども不要で時間の短縮になります。
詳しい作り方はブログ#079 マリッジリング動画②に書いてあります。
完成した動画はマリッジ同様に約30分に収まりました。
これをユーチューブで公開してサイト内にリンクを張って完成です。
今回はトップページ、イントロダクション(初めての方へ)、エンゲージリングの3つページに動画を張りました。
動画の下には結婚指輪動画の続きなので、
婚約指輪の制作をご希望のお客様は
「結婚指輪のオーダーメイドについて」を見てから上の
「婚約指輪のオーダーメイドについて」をご覧下さい。
と書いています。
まとめ
結婚指輪に続いて婚約指輪の動画の公開まで終わりました。
お客様には今回作った動画をご来店前に見ていただくことで事前に頭の中を整理してもらい、打合せ時の時間短縮とサンプルを使っての具体的なデザイン決めがスムーズになるのではないかと思います。
この動画を簡潔な内容で作るためにどこを省いて加えるか等、改めて「エンゲージリングのオーダー」で何が必要かを考えることができました。
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