【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】
少し前にミル打ちリング(詳しくはブログの手作りの結婚指輪)を作りました。
デザインは幅2.5㎜の艶消しで銀色、甲丸リングをベースにしたセンターミルとサイドミルの2種類でどちらも中心に透明石を留めたベーシックな形です。
サンプルは
・小傷が目立たない
・撮影での目立つ映り込みがない
という理由で仕上げは鏡面ではなく、艶消しで作っています。
このミル打ちリングを作った後にオーダーでご来店のお客様から鏡面仕上げだとミルと甲丸部分はどのようになるか見たいと言われました。
サイドミルは定番デザインでブライダルリングでは正面から見ても2色に見える内外のコンビリングや甲丸部分を槌目模様にしたデザインもよく見かけます。
そこでアレンジの見本としてサイドミルで鏡面だけでなく、コンビ、槌目模様など数本のサンプルを作ることにしました。
サンプル制作
ブログの手作りの結婚指輪では平打ちリングからサイドミル、センターミルの2本を作りました。
サイドミルは鏨で2周の粒模様を打つので時間がかかります。今回のサンプル制作は8本作るので原型として真鍮で一本指輪を作ってゴム型を取ってまとめてキャストした指輪を仕上げる方法にします。
平らなレールにミルを打つのと違い、すでに粒状の形になっているので表面を鏨で撫でる位で形になります。
デザインも考えておきます。
・鏡面で金、銀、ピンクゴールドの中心にメレ、
・内外のコンビで色を反転させた2本
・連彫り留め
・槌目模様
・正面中心が凹んだサイドミル
などを作ることにしました。
以前に作った指輪2本と合わせては10本になるのでメモのようなレイアウトにしてTOPページのフォトギャラリー部分にも使います。
真鍮原型ができたらゴム型と真鍮でのキャストを依頼します。鋳造屋さんには後でミルを打ち直す手間がかからないようにミル部分に湯道は立てないで下さいと伝えました。
鋳造から真鍮指輪が上がってきたら早速仕上げていきます。
リングホルダーに固定できるようにまずは湯道を削って内面はサンドペーパーをかけます。
作業についてはいままでと変わらないのであまり写真は撮りませんでした。
正面中心が凹んだサイドミルなどはクロスするように正面に糸鋸を入れてミルを打ち直してから上部にやすりを入れて三角状に削って凹ませました。
ミル打ちに関しても平面から粒状にするには鏨とオタフク槌で叩いていましたが、キャスト品はすでにある程度丸くなっているので表面がボソボソした鋳肌も魚々子(ななこ)にミル鏨を差し込んで手で一粒ずつなぞるだけで照りも出ました。
あとは透明のキュービックジルコニアを留めてメッキに出します。
単色のメッキは特に問題ありませんが、内外のコンビは全体のメッキをかけた後にマスキングをして再度メッキに出す必要があります。
メッキから戻ってきた指輪に次のメッキではリングの腕回り部分以外にメッキされるように両面テープをミルと側面に貼ってマスキングをしました。
細い筆などがあればマスキングをせずにそのまま塗ったほうが早いと思います。
WORKSに投稿する
指輪が出来上がったので写真撮影をしていきます。今回のメイン画像は10本が同じ角度の写真なので三脚にカメラを固定して1本ずつ撮影して画像修正で1枚にまとめます。
あとはワークスのページに投稿する文章を考えます。
今回はミル打ちという内容で重複しないように既に投稿済みのMILGRAINを書き換えてメイン画像を差し替えることにしました。
それから金額です。手打ちミルは1列あたりプラス1万円ですが、CADで作れば無料です。
CADで作った場合で合計10本の金額を載せてお客様が見たときに値段が分かりやすいようにします。。
中心の宝石は通常グレードのダイヤモンドとして石留めは彫り留め1PC2000円で計算して行きます。ダイヤモンドは通常グレードの1ct当たりガイ110000円で計算して内訳も書いていきます。
まず一番安い宝石なしは
オーダー基本料(結婚指輪) | ¥100,000 |
幅を2→2.5㎜に変更 | ¥10,000 |
Total | ¥110,000 |
です。
宝石が1PC入ると
オーダー基本料(結婚指輪) | ¥100,000 |
幅を2→2.5㎜に変更 | ¥10,000 |
Diamond φ1.0㎜(0.005ct)×1 | ¥550 |
(GOOD・SI ¥550/PC) | |
彫り留め ¥2,000×1 | ¥2,000 |
Total | ¥112,550 |
となります。
槌目はテクスチャーなので金額は変わりません。
7PC宝石が入ると
オーダー基本料(結婚指輪) | ¥100,000 |
幅を2→2.5㎜に変更 | ¥10,000 |
Diamond φ1.0㎜(0.005ct)×7 | ¥3,850 |
(GOOD・SI ¥550/PC) | |
彫り留め ¥2,000×7 | ¥14,000 |
Total | ¥127,850 |
内外コンビリングで宝石が1PC入ると
オーダー基本料(結婚指輪) | ¥100,000 |
幅を2→2.5㎜に変更 | ¥10,000 |
コンビ(内外)に変更 | ¥30,000 |
Diamond φ1.0㎜(0.005ct)×1 | ¥550 |
(GOOD・SI ¥550/PC) | |
彫り留め ¥2,000×1 | ¥2,000 |
Total | ¥142,550 |
となります。
ワークスに投稿したMILGRAINの文末に以上の価格一覧を載せておきました。
投稿済みのMILGRAINに以上の情報を追加して画像の差し替えが終わったらワークスは終わりです。
TOPページの修正
目を引きそうな画像が出来た事とミル打ちは人気があるのでTOPページのフォトギャラリー部分に追加します。
HANDMADEの①画像でミル打ちを使っている事と5本並べるとミルが見えにくいのでそれぞれ撮影しなおしてHANDMADEは連彫り留めカーブの指輪4本画像に変更、
ミルグレインのフォトギャラリー用にハンドメイドの①と同じ構図のミル打ち画像①を作りました。
②のグレーイラストはインナーミルとサイドミル、幅違いのサイドミルの画像、③の画像はミル打ち作業の手元の写真にしました。
④は今回メインとなる10本を1つにまとめた写真です。
あとはピンタレストとインスタグラム用に画像を用意して終わりです。
まとめ
ミル打ちリングの見本10本ができました。
4段目の3本は鏡面仕上げの見本としても使う予定です。
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