ジュエルクラフト東京

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#034
ヘラクレスノットリング

【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】

オーダーメイド スネイクリング0
スネークリングまで作り終わりました。

 

オーダーメイド ヘラクレスノットリング0
基本デザインのヒストリカルに加えられる他の結婚指輪デザインはないか調べると、古代ギリシャの時代に身に着けられたという「ヘラクレスノット(Hercules knot)」の指輪が見つかりました。

この指輪を結婚指輪サンプルに加えたのでホームページで公開するまでを書いていきます。

 

ヘラクレスノットとは

オーダーメイド ヘラクレスノットリング11
ヘラクレスノット(ヘラクレス結び)は新石器時代から用いられたといわれるほど古く、この横結びは強度が優れていて外れにくいことから古代ローマ時代にギリシア神話に登場する半神半人の英雄にちなみこの名前が付いたそうで、博物誌で有名なプリニウスは自身の著書の中で怪我をして包帯を結ぶときにはこのヘラクレスノットの使用を勧めたという逸話もあるそうです。

一般的に日本では堅結び(かたむすび)や本結び(ほんむすび)、アメリカでスクエアノット(SQUARE KNOT)、イギリスでリーフノット(REEF KNOT)、と呼ばれますが、指輪のデザインではこのヘラクレスノットという名前を使うことが多いようです。

 

オーダーメイド ヘラクレスノットリング6
ヘラクレスノットの指輪は有名ブランドではエルメスのシェーヌダンクルというモデルのスカーフリングがまさにこの形です。

他にはにはダイヤモンドで有名なデビアス傘下のフォーエバーマークというブランドがこのヘラクレスノットにインスピレーションを受けたエンコルディア®というジュエリーコレクションを出しています。

 

デザインを考える

オーダーメイド ヘラクレスノットリング1
NET上に出ているデザインも見ながらまずはワイヤーワックスでサンプルを作ってみることにしました。

 

オーダーメイド ヘラクレスノットリング2
結婚指輪に適した幅と考えて丸線1.0、1.5、2.0㎜で作って比較します。

ワイヤーワックスで1.5㎜の丸線で作って正面の編み込み部分の幅を測ると7㎜もあり、結婚指輪として使うにはトップが少し大きいと感じました。

ヘラクレスノットの指輪で最もベーシックなデザインはこの形ですが他の結婚指輪サンプルと比較したときに結び目部分が小さいほうがいいのではないかと思いましたが、1.0㎜の丸線で作るとこちらは華奢すぎたので1.5㎜の丸線でサンプルは作ることにしました。

 

オーダーメイド ヘラクレスノットリング7
こちらはデザインスケッチです。

これをCADで正面図のみ作ってみました。

サンプルの第一候補は右上のデザインで、結ぶ紐だけでデザインを考えると自然と腕が細くなるので結び目の外から腕が広がるデザインにして紐部分は指輪の淵になります。

正面からはヘラクレスノットが見えますが裏側からは縁のある甲丸リングに見えるので仕事の時など目立たせたくない場合はひっくり返して使うこともできます。

このくらいのアレンジならヘラクレスノットの形を崩しすぎず、長く使えるのではないかと思います。

おそらく男性などは仕事で使うことも考えるとあまり目立たない右上を選び、女性はヘラクレスノットが大きく、飾りとして目立つベーシックな形を好まれると思い、あえてデザインの違いを大きくして左下のデザインを作ってもいいかと考えました。

ただ作っていて結び目部分と指輪の幅を同じにした場合は今まで作った基本デザイン パターンの指輪やレーザー刻印の世界地図の指輪と変わりません。

やはり紐を2本で結び目を作るタイプがこの形の一番自然な形な事とWAXでサンプルを作ると樹脂造形・ゴム型不要で一番コストがかかりません。

基本デザインのサンプルとして作るのでCADの正面図右側のデザインでサンプルを作らずに左下のアレンジができるベーシックな形を作ることにしました。

 

指輪を作る

オーダーメイド ヘラクレスノットリング4
実際にワイヤーワックスで結び目を作ってみて紐の太さは1.5㎜、腕の幅は3.0㎜、結び目部分の幅は6~7㎜、厚み4㎜になると分かりました。

結婚指輪のサンプルとして2本を並べて1枚の写真にしたきにデザインの対比をさせたいのでレディースは優しい感じになるように1.5㎜の丸線、メンズは武骨な感じになるように1.5㎜の角線のワイヤーワックスを使って作っていきます。

 

オーダーメイド ヘラクレスノットリング3
捻って丸めて指輪の真下部分を溶かして繋げます。

指輪の内側は線が2本並ぶので腕の中心にラインが入りますが、レーザー刻印を入れることを考えて指輪内側の溝にワックスを盛り付けてから鋳造に出します。

盛り付けたワックスは少しはみ出すようにして仕上げで平らに均していきます。

 

オーダーメイド ヘラクレスノットリング5
指輪が鋳造から上がってきました。

あとはいつも通りに仕上げます。

 

オーダーメイド ヘラクレスノットリング8
結び目の部分にはブラシを入れて磨いて表面をスポンジやすりでつや消しにして、内面のみ磨きます。

 

オーダーメイド ヘラクレスノットリング9
メッキから上がってできた写真がこちらです。

 

オーダーメイド ヘラクレスノットリング10
指輪を横から見るとこのように立体的になっています。

 

結婚指輪ページに追加する

オーダーメイド ヘラクレスノットリング15

結婚指輪ページの説明はここまで書いてきたヘラクレスノットとは何かについての説明、メンズとレディースでデザインの違い、制作過程やどんなアレンジができるかをまとめます。

 

まとめ

オーダーメイド ヘラクレスノットリング0
基本デザインのヒストリカルに新しいデザインが加わりました。

ヘラクレスノットに関してはアレンジしやすい形や他の結婚指輪と並べたときに自分が着けたいと思う形で作ろうと思いましたが、まずは定番と呼べる形でサンプルを作りました。

時間を見てCADで原型データも作る予定です。

 


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