【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】
関節の出た指用リング③までに4ペアのサンプルが完成しました。まずはこの4型を作品事例としてワークスに投稿、サンプル④を結婚指輪ページに追加という流れですすめていきます。
イラストを作る
ホームページで使うイラストも作ります。(このブログでは①から④で既に使っていますが)作り方はCADに手の画像を取り込んで輪郭をスケッチ、
4本の指輪がどう動くかがわかるイラストも作ります。
今回は画像のようなワークスで使うライトグレーとダークグレーの画像を4セット分作りました。
WORKSに投稿する
ワークスに投稿するために4つのサンプルリングの名前を決めます。
当初は4つの形状に合わせてそれぞれ別の名前を考える予定でした。
例えばサンプル①は指輪が外に向かって開閉するので英語で「開閉」を調べます。
open and shut 、switchなどがある中、このページに類似語で開閉可能なという意味のクローザブル(closable/closeable)という言葉を見つけました。
クローザブルは響きもよいのでこの名前にしようとおもったのですが、反対のオープナブル(openable)もあるのではと調べるとありました。
この指輪は閉じた状態が通常なので意味としてはオープナブル「開くことができる」のほうがこの指輪の意味としては合っています。
英語の意味で閉じた状態でも開くことができるとわかるのでサンプル①の名前はオープナブル、②も同じように別パーツがつくので
「(複数のモノや人から成るグループから一部を)分ける」という意味のセパレート(saparate)がよさそうだけれど、結婚指輪で「分ける、別れる」は縁起が悪いので別パーツがつくのでジョイント(joint)・・・という具合に考えていました。
ただ、そうすると①と③は両方オープナブル、②とその改良版の④はジョイントとなってしまいます。
そこで4つの型はデザインはバラバラですが、「指の関節が出ている人向け」という共通点があるのでサンプル①~④はすべて同じ名前で統一して番号を付けることにしました。
英語で指の関節はa finger joint/a finger section/a knuckleといいます
「指節骨」という意味のファランジ(phalange)という言葉もありましたが、ファランジ リングといって(ミディリング、ミッドリングとも)指の第一と第二関節の間に着ける指輪がすでにあるのでこの言葉はやめておきます。
指の関節という言葉ならa finger jointが直訳でイメージしやすいので「指の関節を通って」PASS a finger jointや「(サイズ、寸法などを)調整、調節する」という意味でアジャスター(adjuster)やサイズアジャスター(size adjuster)、指の関節用ということでフォー ア フィンガージョイント(for a finger joint)と色々考えて、語感が良く、4つの形と名前を見てどういう指輪なのかが分かりやすい「指にピタッと合う」という意味のフィット ア フィンガー(fit a finger)の1~4にすることにしました。
画像がワークスでの一覧画像です。4ペアをまとめて投稿して形が違っても「指にピタッと合う」という共通点があることが伝わるように可動部分の動き方や別パーツがあることがわかる構図の写真をアイキャッチ画像にしました。
WORKSの文章はここまで書いた内容をお客様向けにまとめて投稿します。
結婚指輪ページ用サンプルを作る
結婚指輪ページのサンプルは全て金メッキと銀色のロジウムメッキをしているのでそれに合わせて真鍮で2ペア作ります。
作業はサンプル④を作った時と変わりません。出来上がったらメッキに出します。
それから現在、打ち合わせの時にテクスチャーは平打ちの板でお客様には見てもらっています。ただ、甲丸の指輪で説明のほうがわかりやすいと思いジョイントリングでサンプルを作ることにしました。
画像のように地金の状態からテクスチャーに合わせて先端工具を変えて模様をつけていきます。
WAXパターンの状態で模様をつけることもできますが、今回はすべて地金の状態でテクスチャーを付けました。
完成したら結婚指輪用サンプルの2本と一緒にメッキに出します。
こちらが出来上がりです。
結婚指輪のページでのアイキャッチ画像は指輪とパーツを同じ色で並べます。
指の関節の出た人向けはこの「FIT A FINGER4」が可動部分がないので全体のデザインを崩さず、体重が変わってサイズ直しが必要になったときに指輪本体には手を加えず、内側のパーツを交換すれば済むので(サイズ伸ばしならパーツを削る)現状では一番ベストだと思うので結婚指輪のページに加えることにしました。
この試作品の名前は結婚指輪用の名前としてはイマイチなので
1、指の関節が英語でFINGER JOINT
2、パーツが接合することも同じくJOINT
という2重の意味で結婚指輪のページでの名前は短く「JOINT」にします。
結婚指輪ページに投稿する
結婚指輪のページに投稿するためにお客様向けの文章を考え、内容を箇条書きにします。
1、指の関節が出ている人向けの指輪ができました
・・・どういう形か試作品なども使って説明
2、つけ方と取り外し方、サイズのはかり方
3、ほとんどのデザインの指輪が
この「ジョイント」にできるという説明
4、シンプルな指輪でも少し見えるパーツが
デザインのアクセントになる
5、パーツがそこまで目立たない
6、サイズ直しでカットせずに
パーツ交換やで対応できる
7、幅3㎜から作ることができる
8、JOINTの金額
後から変更があるかもしれませんがまずは上の内容をまとめてページを作ります。
「2、つけ方と取り外し方、サイズのはかり方」で使う実際に指に付けた写真や着脱の写真はまだ撮っていないので文章と合わせて後日、追加する予定です。
料金に関してはパーツの重量が真鍮0.73gなので金とプラチナにした場合の金額パーツを磨く手間などを考えて基本料+プラス¥30000、制作は幅3㎜~とします。この内容はPRICE(料金表ページ)にも追加しておきます。
このJOINTは4つの基本デザインには入らないのでワールドやインフィニティと同じその他のカテゴリーに入れました。
まとめ
指の第二関節が出ている方は多く、今までは指の根本でクルクル回るのは仕方がないと説明していました。
ほとんどのお店でも同じ説明だと思いますが、何とか解決できないかと思い今回のサンプルが完成しました。
いろいろ試行錯誤した結果、完成した指輪はサイズ直しの時に模様が消えるといったマイナスもパーツの交換をすることで解消することができる形になっています。
今まで公開していた結婚指輪はアレンジしやすいようによく言えば「普通」、悪く言えばどこかで見たようなデザインだけを用意していましたが、オリジナルリングに次ぐ、他で見かけない結婚指輪が出来上がりました。
この指輪はTOPページの目立つ場所に画像とリンクも張る予定です。
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