【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】
お店のオープンから2年ほど経ち、指輪をご注文のお客様にお渡ししているリングケースを新しくしました。
当店のロゴ入りで大きさはカバンに入れても邪魔にならない縦4.5×横4.5×高さ3.5㎝のコンパクトサイズです。
今回はこのリングケースができまでの過程を書いていきます。
どんなケースにするか考える
現在、ブライダルリングのご納品では写真のような木箱にリングケースを入れてお渡ししています。
マリッジリングならペアで収納できるリングケースかリングピロー、エンゲージリングでは1本だけ収納できるリングケースでお渡ししています。
木箱にはスタンプでお店の名前を入れていますが、リングケースやリングピローに関しては指輪の色やデザイン、木箱との相性などを考えてその都度仕入れています。
他のお店のリングケースはロゴ入りが圧倒的に多く、今回は改めて他店がリングケースをどうしているかNETやインスタグラムで調べました。
納品時は木箱に制作過程でできたゴム型などをディスプレイしてのお渡しも続ける予定なのでこの木箱との相性の良さも考慮します。
NETで調べたところ、圧倒的に多いのは白ベースで内側に型押しのロゴが入ったマリッジとエンゲージリングのケースです。
目を引いたところでは数種類の色から選べる木のリングケースで外側にロゴのあるものや白い陶器のリングケース、海外のハイブランドは見るからに高級感のある革張りの大きめなケースなどもありました。
木のリングケースは魅かれたので焼き印を注文して自分でロゴを付けるのも考えました。
箱から特注でのリングケース制作も考えましたが、まとまったロットでないと注文できない事と後で変更したくなるかもしれないので、まずは卸で仕入れられる既成のリングケースにロゴのプリント依頼をする事にしました。
スリムリングやプロポーズ用にポケットに仕舞えるサイズのリングケースは作りもしっかりしています。
大きすぎると外に持ち運びで邪魔だと思うので
・カバンに入れても邪魔にならない
・木箱に入れたときにスペースを取らない
・デザインがシンプルで飽きがこない
ということでスリムリングで使っているエンゲージとマリッジのケースを通常のオーダーで使うことにしました。
現在、ノベルティのトートバックはプリント部分が金と銀の2つから選ぶことができます。
これに合わせてマリッジ、エンゲージともに蓋の内側部分に金と銀でお店のロゴを入れることにしました。
ケース用のデータを作る
スリムリング用のケースを仕入れたケース屋さんにJPEGとイラストレーターのデータを持って依頼をしに行くと、持ち込んだデータはケースが小さいことに加えて「ロゴの下の文字部分(OREDERMADE BRIDAL RING~)は小さすぎる」「正方形のロゴだけにしても白抜きの文字部分が上手くプリントされないかもしれない」と言われました。
内蓋の端から5㎜は開けないといけないこと、納期は2,3週間、データは持ち込みでも版代が5000円、プリント代は1つ数十円、ロット数は最低30で色の変更はできないとのことで(15個は金、残り15個は銀などは不可)一度、持ち帰って考えることにしました。
考えてみるときちんとプリントできるかも不安になったので、まずは「エンゲージとマリッジケース、ロゴは金と銀」という4パターンを「金ロゴのエンゲージケース」のみ作ることにしました。
理由としては木箱のロゴが金色にしているので合わせたいこと、
マリッジリングのケースはなくしてはお二人が別々で使えるようにこのケースを2個お付けして
ご納品時の木箱の中心にはロゴなしのリングトレイを置けば問題ないと思ったからです。
エンゲージケースで金ロゴにすることは決まったのでプリント部分を考え直します。
・ロゴの白抜き部分を反転させた文字のみ
・上の文字をプリントできるくらい大きく
・JCTと省略
の3つを考えて最終的に画像の2種類に絞りました。
第一候補の文字でもまだ小さい場合は第二候補でプリントしてもらいます。
作り方はPC上でJPEG画像を右クリックで編集、ロゴのコピー&ペーストで文字間のスペースを詰めます。
次に画像編集ソフトGIMPで色を明暗をはっきりさせてグレー部分を黒にして反転させて文字部分を黒にします。
あとはイラストレーターに画像をインポートしてアウトライン化します。
これでリングケースをPC画面のロゴの大きさと並べてみます。
これでもまだ文字が大きいかもしれないので文字間をさらに詰めた第二候補を作りました。
イラストレータのデータをUSBに入れたリングケース屋さんに再度持ちこみます。
今回は同じケースを扱うお店が他にもあったので最初に相談したお店とは別の場所で注文しました。
担当者が不在とのことでUSB預けてその日は帰り、後日メールでどのようにプリントが入るかの確認連絡が来てから正式にオーダーをしました。
リングケースが完成したら
納期は2週間ほどケースが出来上がってきました。
版になった銅の型も渡されました。次回からは版代なしでケースとプリント代だけで作ることができます。
ロゴ入りのケースが出来たのと合わせてご納品セットも変えます。
ホームページの特典ページも書き直すので今まで作ったサンプルリングを使ってご納品時の見本写真を撮影し直します。
木箱に入れるリングケースとリングピローの代わりには大と小の白いリングトレイを入れることにしました。
なので
マリッジリングのご注文では
マリッジリングケース(大)orリングピロー
→リングトレイ(大)とリングケース(小)×2
エンゲージリングのご注文では
エンゲージリングケース(大)
→リングトレイ(小)とリングケース(小)
と変更になるのでお客様にとっては少しお得になったと思います。
この変化は大きいのでホームページの特典、アフターフォローページには画像付きで室内用にはリングトレイ、室外用には邪魔にならないサイズのミニケースにあえてしていることも書きます。
まとめ
2年ほど経ってリングケースも含めて納品セットをどうするかが決まりました。
今回、納品セットに関して採用しなかったアイデアにはコルクの代わりにドライフラワーを入れるというのがあります。
ただ、調べてみるとドライフラワーとそれより長持ちするブリザーブドフラワーでも半年ほどしか持たないということで今回は見送りました。
花ではなく木の実などのナッツ系なら長持ちして華やかなので良い仕入れ先が見つかればコルクと交換するかもしれません。
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