【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】
結婚指輪サンプルとして作った写真のクラダリングは上下に重ねるとクラダリング、単体ではフェデリングにも見える2つを合わせたデザインにしています。
フェデリングはハートと両手、クラダリングはハートと両手に王冠がつくデザインを指すことが一般的でこの2つの指輪は混同されがちです。
作ったクラダリングの編み込みの隙間がイマイチな事と3本に分かれるフェデリングを真鍮で作ってあるので結婚指輪ページでは別々にすることにしました。
今回はこのフェデリングと修正したクラダリングを結婚指輪ページで公開するまでを書いていきます。
フェデリングを作る
ワークスで画像のフェデリングをFEDE TRINITYという名前で公開しています。
素材は真鍮で作ってあるので、この3本の指輪を1本にしてゴム型を取って真鍮で鋳造、金と銀でメッキをして結婚指輪ページに加えます。
まずは画像のように3本の指輪に真鍮の柱を立てて ゴムが切れる隙間を開けて溶接します。
できるだけ高さを抑えてゴム型が小さくて済む(価格が安く済む)位置を考えて柱を立てました。
この状態でゴム型と真鍮リングを2つをバレル研磨なしで依頼します。
これを真鍮で鋳造して仕上げたら、メッキに出して完成です。
結婚指輪のアイキャッチ画像は1つになった状態と3つに分かれた状態を1枚の画像にします。
レンガに乗せた写真や手が閉じた状態、開いた状態なども用意して結婚指輪ページやSNSの投稿で使っていきます。
クラダリングの修正
続いてはクラダリング作り直します。
以前に作ったケルティックノット部分が細かすぎてキレイに模様が出なかったのでこの部分も修正します。
このデータは以前にワークスで公開していますが、王冠部分を小さくして3㎜の幅に収まるようにしています。
今回は指の関節が出ている指向きのジョイントパーツありのデザインで原型を作ります。
以前にCADデータは作っておいたので微調整してジョイント用のへこみとパーツを取り付けたら完成です。
以前のクラダリングよりも手とハートの部分を広くして両サイドの淵を細くしました。
幅3㎜の指輪にこれだけ細い模様はゴム切りが難しいのでレーザー刻印で模様を入れるのもアリかもしれません。
樹脂原型の造形、ゴム型、WAXパターンまで終わりました。
金と銀のマリッジリングは通常タイプにするのでWAXパターンの状態でジョイントパーツをカットして溝にワックスを押し込み指輪と一体化させて鋳造に出します。
ちなみに最初は写真のように指輪内側の凹みに粘土WAXを押し込んで鋳造に出しましたが、(おそらく石膏を流し込んだ時に)粘土部分が変形して一部が凹んで戻ってきたので、きちんとワイヤーワックスを溶かして埋めてから鋳造に出し直しました。
ジョイントタイプ1本と凹みなし2本が鋳造から上がってきたら仕上げてメッキに出します。
このピンクゴールドメッキのジョイントタイプはクラダリングのページ内で模様が一周入った指輪でもカットしないでジョイントタイプにできることを伝えるために作りました。
ジョイントパーツがついた状態と外した状態がわかるようにした写真も作りました。
結婚指輪ページの内容は以前のクラダリングはフェデリングと一緒になったデザインだったことは削除してジョイントを作ったことでケルティックノットをカットせずに(模様を消さずに)パーツを削るか交換することでサイズ直しができるということを加えます。
マリッジページの追加
マリッジリングのページに追加する3連のフェデリングとクラダリングの写真が用意できました。
公開しているクラダリングはフェデリングの内容も書いてあるので新しいフェデリングページに移します。
フェデリングは2から3世紀のローマで流行した指輪でフェデ(FEDE)とはイタリア語で信頼や忠実を意味します。
様々な派生デザインがありますが、男性と女性が握り合う手を解くと愛情を意味するハートが現れる仕掛けになった形が一般的です。
中世になると写真のような手が開かないデザインが主流になっていきます。
なので今回はフェデリングができた当時の形を再現したという文章にします。
以前にお客様から依頼があったフェデギメルの写真を使って
・ハートに誕生石を入れる
・刻印は腕の側面に入れる
・ギメルにする
などアレンジ例についても書いていきます。
クラダリングのページの写真を新しいものに差し替えて文章も書き換えます。
フェデリングの内容を移動させたことでクラダリングのページの文章が減ったのでジョイントのクラダを使って文章を増やします。
ジョイントパーツを足すことでケルティックノットの模様を消さずにサイズ直しができることを書きます。
指の関節が出ている人向けということも知ってもらいたいのでジョイントのページへのリンクも張ります。
まとめ
以前から直したかったクラダリングを修正して新しく3連のフェデリングを結婚指輪の基本デザインに加えました。
今まで結婚指輪ページのアイキャッチ画像は背景をすべて質感の違う板などに置いて撮影していましたが、ワークスのページとの統一感を考えて前回のポイズンリングから背景はライトグレーにしています。
時間を見て公開済の結婚指輪も撮影し直してアイキャッチ画像もワークスと同じようにライトグレーに統一する予定です。
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