まず最初の必要な技術はパソコンです。
覚えたほうがいい理由は3つあって
1、ホームページの内容が作れる(企画)
2、お金をかけずに検索対策が自分で出来る。(集客)
3、CADデータを作ることができる(制作)からです。
他にもありますが、、やってみて気が付いたのは大きくはこの3つができるからです。
パソコン一つで
何もない所から自分で考えて(企画)、
お客様に来てもらい(集客)、
デザイン画が書けて、原型制作ができる(制作)。
そもそもパソコンを1つと数えることに異論もあると思います。
そこでレーザー溶接機を思い浮かべてください。
(わからない方は検索してください)
・指輪のサイズ縮め、伸ばし
・チェーンの溶接、
・ピアスのポスト折れ
・ス穴埋め
・ロー材の仮付け、、、
機能的には溶接するだけですが
たくさんの加工をサポートしてくれます。
道具の一つにすぎませんが他にもたくさんの使い道があります。
パソコンも同じで道具の一つですが、機能はそれ以上です。
そしてオーダー婚約・結婚指輪専門店で必要な機能となると基本はこの5つ位です。(カッコ内はソフト名です。)
1、インターネット
2、文章を書く(エクセル)
3、CADで原型制作・デザイン画(ライノセラス)
4、イラストを描く(イラストレーターかライノセラス)
5、写真の画像修正(フォトショップかGIMP)
この機能の使い方は今後詳しく方法を公開していきます。
※現在は一覧ページで公開しています。
1、ホームページの内容が作れる(企画)
以上のものを駆使してホームページの内容を考えます。
これは商談用資料にも使う事を考えて制作します。
ホームページの内容を作ることが商談での提案力を高めてくれます。
流れだけ説明すると
1、インターネットを使って
他社のホームページの研究
自社でしかできない事や他との違いを考えて企画する。
2、文章を書く(エクセル)
考えた内容を文章にしてまとめる。
ホームページに公開する文章を書く。
どんな指輪を作るかなどの企画を立てる。
3、CADで原型制作・デザイン画(ライノセラス)
4、イラストを描く(イラストレーターかライノセラス)
手作りで出来ない指輪のデータを作る。
ホームページで使うイラストなどを作る。
5、写真の画像修正(フォトショップかGIMP)
写真やイラストはそのままではなく、画像修正ソフトで明るさや大きさを変えたり、ホームページで使える写真に加工する
できた素材をWEB業者さんに渡してホームページを依頼して作ってもらう。
という流れになります。
3~5はお金はかかりますが業者さんに依頼することもできます。
大きい会社ならお金をかけて全部分けてそれぞれの分野のプロが作ります。
出来上がりは綺麗ですが分業にして一度作ってしまうとそこから大きく変える事ができません。
一人で覚えながらやるとその修正ができます。
外部に頼まなくて済むので費用もかかりません。
ブライダルリングに話を絞るとオーダーメイドのホームページはどこも世界で一つの指輪を作ると書いています。
これを同じようにパソコンを使ってホームページの内容を考えることができれば、
世界で一つの自分にしかできない一生使えるオーダーシステムを作ることができます。
自分が考えた仕組みを使ってお客様のご希望に合わせて指輪を作る。
これは道具を加工して、工具箱に増やしていくと仕事の幅が拡がる事と似ています。
それは他の人には真似のできない上に経験ごとに改善されます。
やっていくうちにそのことに気が付いてパソコンへの抵抗もなくなっていくと思います。
それから、
これは接客をしていて気が付いたのですが、
ブランドの指輪ならその商品自体が目的なので誰が売っていても買います。
でも、オーダーの場合はお店に入っても注文するかはその人を見て決めます。
お客様がオーダーのお店を何件も回っている場合はどこで差が出るか。
提案力ではないかと思います。
提案力は話す事もそうですが経験から指輪のサンプルと資料を相手の要望に合わせてどの位良いものを用意できるかです。
それはお店が用意してくれたものをそのまま使っていると同じような提案しかできません。
ホームページの内容を考える過程でどんなものを扱ってどう説明するか自分で考えることで提案する内容が変わってきます。
自分は会社員の時は値引きなどの商談テクニックを駆使したり、お客様を魅了する話し方などはしていません。
その代わりに他社がなにやっているか調べて、決まらなかった商談はその理由も考えて、お見積りの時に自分専用の商談ファイルを使っていました。(自分のホームページではない事とホームページにアップするより使いやすいため印刷して使っていました。
今ならIPADなどでお客様に見せるのもいいと思います。)
結果、いつもとはいきませんが、何社か比較した後にお客様がお店に戻って下さることが多々ありました。
自分がトークとサンプルだけで商談を進めるタイプだとそこまで決まっていないと思います。
どいういう物を用意して話していたかは別の機会にご説明します。
今回の内容を職人さん向けにした理由ですがそういった工夫を自分でするかしないか、加工する人としない人では内容が違ってきます。
加工ができると「こんなモノがあったらいいな(もしくは必要)、空いている時間でサンプルでも作ってホームページに内容を上げておこう」となります。
そうして作ったサンプルを元にパソコンを使って商談用ファイルを作ります。
そのファイルはどこも用意してない上に、上手くいくノウハウとなって新しい人も教えることもできます。
商談用ファイルがあれば新しく入った人が自分と同じように話すことが苦手な職人でも同じかそれに近いことをすることができます。
そうして結果を出すと会社員であれば上司からも評価されます。
そして、これがパソコンのすごいところですが、ノートパソコンであればどこでもそれを作ることができます。
作るのに時間と場所を選ばないというのは改めて考えるとすごいと思います。
2、お金をかけずに検索対策が自分で出来る。(集客)
今、自分が書いている内容もそうですが検索で表示される事を意識して書いています。
どうして検索で上位を目指すのか。
簡単に言えば、ホームページを見たお客様にご来店してもらうためです。
上位に表示されるほどホームページを見てもらえる確率が上がります。
検索で上位に行く方法はある意味とても平等です。
そういった方法を載せているサイトはたくさんありますが、ほぼ結論は同じです。
グーグルの裏をかいて上位を目指すのではなく、グーグルと仲良くなる。
ユーザーに役立つ情報を出す、魅力のあるサイトにする。
ユーザーが知りたい情報を載せたサイトを作る
ということのようです。
どの会社も自分が一番いいと思う内容にして同業他社に見られたり真似される事を承知で、損をしてでも良い・正しい情報を公開しないといけない。
これはすごい事ではないかと思います。
そして内容のいいホームページを作ってお客様に来てもらう。
これがホームページで集客する王道です。
ただ、リスティング広告と言ってグーグルからお金で順位を買う、表示させることもできます。
なので広告にお金を払って集客につなげる方が早いと思っていました。
それが自分でパソコンを触るようになってホームページを更新するようになってその意識が変わりました。
入社したある会社では平日の来客が少なく、修理サイトは放置してあったので上司に許可をもらい、それを変えることにしました。
そしてレイアウトのみWEB業者さんに変更してもらい、他のサイトを多数比較して
・サイト自体をおしゃれに
・検索ワードを意識しすぎて多すぎるカテゴリをシンプルに
・料金表、詳しい料金内訳、納期の公開
・詳しい加工内容の公開(技術力アピール)
・加工前後の綺麗な写真と統一感
などを改良して更新してみました。
一言でいうと、ユーザー目線を意識して作り替えました。
結果的に「指輪 修理」「ジュエリー 修理」などで半年かからずに1~2ページ目に表示されるようになり、売り上げにも貢献することができました。
ある程度上位になると一年ほど更新なしでもそのあたりの順位をウロウロしていました。(ちなみに同じパソコンで同じサイトばかり見ているとそのサイトが自動的に上位表示されるので公平な順位表示方法で見ます。)
これがホームページのすごい所で、る程度出来上がるまでは手間がかかりますが軌道に乗ると広告費は0円でたまに更新するだけでお客様は来てくれます。
実際に最初のご来店のきっかけはほぼホームページからでした。
WEB業者さんに聞いたところ内容だけでなく、
・お店の場所
・修理はライバルが少ない
・昔からあるサイトは評価が高い事
なども上位表示の要因であるとの事。
個人的にはこのWEB業者さんが優秀だから上位表示された気もしています。
今、読んでいる方には加工ならある程度できる人もいると思います。
ただ、加工ができる人のなかでパソコンが使えて、一般の方向けにホームページに事例を読みやすく公開している職人やお店はそこまで多くないです。
他のサイトと比較して金額などを分かりやすく公開している所は更に少ないです。
検索上位を目指すにはどんなサイトを作ればいいのかは他社のホームページを見て研究すれば多少、見えてきます。
でも仕事が忙しいほとんどの職人はそこまでしません。
何かで「ホームページは24時間働く優秀な営業マン」だと読みました。
パソコンを覚えるだけで、営業マン代わりの集客が可能になります。
企画してこういったサイトが自分で作れると会社員なら自分で仕事を作れる職人という会社から重宝されるポジションになります。
それと自分でホームページが作れてどうすれば集客できるか知っているというのは、独立する時に仕事が取れないかもしれないという不安を軽くしてくれます。
今回独立を決めたのも加工が多少できることより、パソコンを使って集客するにはどうすればいいかを多少なりとも分かった事が大きいです。
今回、婚約・結婚指輪のオーダー専門店にした理由の一つでもありますが、このサイトではどうすれば上位に行けるのかも考えていきたいと思っています。
3、CADデータを作ることができる(制作)
自分が専門学校時代はまだ、ジュエリーCADソフトはトップシェアが決まっておらず、どこのCADを覚えればよいかもわかっていませんでした。
今はジュエリーCADは「ライノセラス」というソフトが業界ではトップシェアを占めていて、どの専門学校でも授業があるようです。
自分もこれを使っていて10数万円で購入できます。
CADのすごい所は個人的にはこの3つではないかと思っています。
1、手では難しい原型を作れる
2、デザイン画がそのまま原型に
3、修正が簡単
まず、
1、手では難しい原型を作れる
これが最大の特徴です。
CADは鍛造やWAXなど手作りをやっている人にとってはややこしそうでやりたがらない人が多く、自分もそうでした。
覚えた方がいいと思いつつ会社から指示されるまである事を知っている位でした。
ただ、やってみたらパソコンは苦手な自分でも基本操作はそこまで難しくない。
バージョンがアップデートされるたびに便利機能が追加され扱いやすくなっています。
CADデータを造形してくれる会社もあるので造形機を持つ必要もありません。
CADが使えて自分でデータ制作が出来れば造形は依頼しても、原型制作代として制作時間も考えれば破格と言えます。
今回作った基本デザインの指輪も何本かはCADを使っています。
手作りでは難しい原型が短時間で作れる。
これは革新的なことではないかと思います。
それから自分のように手作り原型職人を目指していた人間からするとショックなんですが、昨日今日始めた若い人でも修行せず同じものができてしまいます。(もちろん熟練の技でなければできない技術もあります。)
あたりまえですが、どの角度から見ても左右対称で出来ます。(仕上げや石留めもきちっとする必要はあります。)
最初に入ったメーカーは大量の原型を箱に収納して、それが壁一面にズラーと並んでいました。
当時は棚卸などで見る機会も多く、繊細なデザインの空枠がほぼ完全に左右対称で出来ていることに「手でここまで出来るのか」と感動しました。
CADはそれがより高い精度で出来てしまいます。
この不都合な事実を言いたくない人は作りの分かっていない人間がCADをやってもダメと言いますが、いい見本を見て寸法を測れば同じものができます。
そこまで手でも精度にこだわるのであれば、時間短縮のためにCADでおおよその形を作って鋳造してから削って修正するという方法もあります。
自分の周りの技能グランプリで賞を取るような手作り職人さんでもCADを使う人は多いです。
覚える前と後で明らかに提案内容が変わることが今回接客に必要な技術に入れた理由の一つでもあります。
2、デザイン画がそのまま原型に
いままでのオーダーメイドは基本はデザイナーが書いて、職人が作るので出来上りがデザイン画と違う、お客様のイメージと違うという事がありました。
CADの良い所は作ったデータは360度、好きな角度から見ることができるデザイン画の役割も果たすことができる点です。
そしてそのまま原型として造形することができる。
そうするとオーダーメイドで一番のネックだったデザイン画と出来上がりが違う問題を解決できます。
若い人だと(何歳になってもそうですが)自分の技術力不足でオーダーメイドをやるなんてまだ早いと思いがちですが、CADを覚えると自分の(というか人間の)手先の器用さを超えた指輪を作ることができます。
3、修正が簡単
これが凄い事で今までメーカーは大量の原型をシルバーサンプル枠として在庫を抱えて鋳造前にサイズ直しをして貴金属の指輪に変えていました。
当然、中石のサイズごとに同じ型を何個も用意しています。
今回作った基本デザイン、パターンの指輪は一種模様が入っています。
こういったデザインもサイズ、幅、変更が1つのデータを修正することで数分で新しいデータが出来ます。
データを持っていれば、必要に応じて原型を3Dプリンターで造形して使えばいいので、原型を大量に持っておく必要がありません。
パソコンの中に原型を在庫として大量に持つことができます。
ここまでがパソコンを覚えたほうがいい話です。
次は書くことについて説明していきます。
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