ジュエルクラフト東京

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オーダー結婚指輪を作る職人用
ダイヤモンドの説明①

オーダー結婚指輪を作る職人さん向けに一般のお客様に話す時用のダイヤモンドの説明をまとめました。

①ではダイヤモンド原石②ではカットされたダイヤモンドについて説明していきます。

少し前にニュースで話題になりましたが、ロシア政府が2012年9月にポピガイ・クレーターで今後3000年に亘って供給できるダイヤモンドがあることを公表しました。

話をまとめると

・3570 万年前にもともとあったダイヤモンド鉱脈に直径5から8キロほどの小惑星が衝突したことで出来たことで形成された。

・1970年のソ連時代に発見していたが、高品質の合成ダイヤモンド製造に多額の投資をしていた事と最盛期には毎年1,000万カラットを産出していたミールヌイ鉱山(現在は閉山)を持っていて市場価格の暴落を防ぐために公表していなかった。

・数兆カラット、世界の埋蔵量の10倍はある可能性もあるが、衝突ダイヤモンドは無色のものは稀で、宝石としての価値はない。ただ、通常のダイヤモンドの強度の2倍あるなど工業用として価値はある。

というものでした。

上記の「隕石ダイヤモンド」は市場で宝飾品として使われる天然ダイヤモンドは出来上がる過程が異なります。

 

ダイヤモンドが出来るまで
ダイヤモンドの説明2

ダイヤモンドは高温…摂氏900~1300℃ 高圧…45~60キロバールという高温高圧化で作られます。

バールは圧力の単位で一般にはあまり馴染みのない言葉ですが、海抜0メートルが1バールなので45~60キロバールというのは地上の4万5000倍の圧力がかかる環境という事になります。

そしてダイヤモンドが出来る環境は地下140キロメートルから190キロメートルのクラトンと呼ばれる場所です。

ただ、そこまで潜ることはできないので人類が手に入れることが出来るのは偶然、マグマの噴出で押し上げられた地表近くのダイヤモンドのみとなります。

ただし、これもダイヤモンドがマグマに乗って時速100~300kmで地上に噴出するという条件が付きます。

この速度でないとダイヤモンドはグラファイト(灰)になってしまいます。

この噴出は25億年前から2千万年前に起こったとされ、ダイヤモンドは内包物で作られた時代を特定することができます。

最も若いダイヤモンドでさえ1995年にザイールで発見された6億2800万年前、古いものだと33億年前と言われています。

 

ダイヤモンドが手に入るまで
ダイヤモンドの説明

人類とダイヤモンドの歴史は紀元前4世紀にインドで発見されてから始まりました。

手に入れることが出来る場所は最初はつるはしやシャベルで掘る事が出来る漂砂鉱床と呼ばれる大地が風化して柔らかい土地と河川沿いが主でした。(これをイエローグラウンドと呼びます。)

1960年代まで重量ベースで80パーセント以上のダイヤモンドがこの漂砂鉱床から採れたといわれています。

この柔らかい土地をイエローグラウンド、風化する前の固い状態の土地をブルーグラウンドと呼びます。

大昔はダイヤモンドを手に入れる方法は偶然地上に出ていたダイヤモンドが見つかるとその近辺を掘るという原始的なものでした。

現代では地質学者が最新機器を使い調査をして採掘に適した候補地を探します。

まず、マグマの噴出が起こった場所を探します。

1990年代は6000か所見つかったそうです。

ちなみに1トンの原石を処理して得られるダイヤモンドは0.5ctと言われています。

その中でダイヤモンドがあるのは1000か所、そして推定生産量が採掘コストに見合う箇所は20か所しかありませんでした。

たくさんダイヤモンドが埋まっているとわかっていても採掘するには深すぎる場合や気候、紛争などの政治的要因などが考慮されて採掘地が決まられます。

 


こういった過程を経て地表での露天掘りが行われます。

現在は技術の進歩で沖合の水深200メートルの海洋鉱床から採鉱船でダイヤを採掘することもできるようになりました。

露天掘りが行われるとその周辺はそこにつながる道路や研磨工場ができ、労働者やその家族が住むための街ができ、インフラが整備されます。

仕事があると生活が安定するので結果、犯罪は減り、国が豊かになります。

テロ組織の資金源になってしまう「ブラッドダイヤモンド」と呼ばれる負の側面が取り上げられますが、ボツワナではGNP(国民総生産)の30~40%をダイヤモンド産業が生み出しているという正の面もあります。

 

ダイヤモンド原石が採れたら

ダイヤモンドの説明3
ダイヤモンドの原石はソーヤブル、メイカブル、スプリッタブル、マクル、フラットという種類があります。

採れたダイヤモンドはカラー、サイズ、形状、クラリティ―など16000のカテゴリーに分けられます。

しかし、採れたダイヤモンドがすべてジュエリーになるわけではありません。

宝石品質…15パーセント

ニアジェム(宝石品質にするために多くの加工が必要)…39パーセント

工業用(ドリルや研磨剤)…46パーセント

宝石品質の15パーセントとニアジェムの39パーセントを足した54パーセントがジュエリー用になるわけではなく、ニアジェムなどの原石は大半が研磨で失われます。

採れた原石の中でジュエリーになるのは12パーセントほどだといわれています。

 

ダイヤモンドの説明4
更に原石の中でもクラリティー(品質)があります。

画像はGIAの教科書にある画像をイラストにしました。

具体的な割合や数字は載っていませんが、ブライダルによく使われるVS以上は全体の1割程度でほとんどがSIとIクラスになっています。

カラーに関してもダイヤモンドというと無色透明のイメージが強いですが、実際は宝石になるダイヤの95パーセントが「ほぼ無色からイエロー」、つまりGカラー以下のランクになります。

このことから婚約指輪でよく使われるグレードの無色(F~Dカラー)でVS以上が希少だという事が分かります。

ダイヤモンドの価格が下がらない理由はこの希少性が関係しています。

近年のダイヤモンドの歴史は1870年頃に南アフリカで83.50ctの原石が見つかりダイヤモンドラッシュが起こったことから始まります。

そして第二次世界大戦の直前にデビアス社がダイヤモンドは永遠と愛の象徴として効果的に宣伝したことで婚約指輪を贈るという文化が定着します。

ダイヤモンドラッシュから100年以上の間はデビアス社が世界の原石供給量の約80%を支配し、市場に放出する量を調整して価格も決めていました。

この独占状態はその後、ロシアやオーストラリアなどが大規模なダイヤモンド鉱山を発見し政府主導で産出を開始したことから、2000年に崩壊しました。

しかし、価格の暴落は起こっていません。

これは色々な意見がありますが
・採掘量が増えても上質な原石は依然として希少
・中国やインドなどの新興国の需要が増えている
ということが主な理由のようです。

という事で接客用に
・どうやってダイヤモンドが出来るか
・どうやって手に入るか
・どうして希少で高額なのか
・大量にあっても価格が下がらないのか
などよくある質問に答えられる内容をまとめました。

紛争ダイヤモンドの事を気にするお客様もいるので発展途上国で雇用を生み出している説明なども入れてみました。

次は接客で使えるカット済のダイヤモンドの話についてです。

 


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