ワークスを70件公開した後に結婚指輪のデザインを決める方法①と②というブログ記事を作りました。
もともとこの記事を書くためにワークスのデザインを考えたりもしています。
結婚指輪のデザインを決める方法①は指輪の幅、素材、仕上げ(テクスチャー)、石留め、刻印、指輪の形を順番に選んでいく選択式の決め方になっています。
おそらくほとんどお店や職人が接客もするお店はこれに近い方法でサンプルなどを使って説明しながらオーダーメイドを受けているのではないかと思います。
一方、結婚指輪のデザインを決める方法②は幅だけ決めてもらいモチーフを決めて絵を描いてそれを指輪という立体に起こすという方法です。
デザイナーなどであれば、お客様の好みを聞いて指輪の断面形状に「強弱」をつけて段差、カーブ、左右非対称で変化をつけるなどの方法で絵を描いてオーダーを受けているのではないかと思います。
デザインの自由度と接客での難易度が①よりも②のほうが高いので、他店のHPの制作事例を見ているとほとんどが①のパターンオーダーで作っていることが分かります。
②のような方法は制作可能か判断する経験、提案力が必要でデザインなど複雑な話になってくるからか詳しく説明しているホームページもあまり見かけません。
この②のようなデザインを決める方法をホームページで詳しく説明するお店はないのでまとめてみました。
①の選択式のオーダーが悪いわけではなく、結婚指輪を求める方のほとんどは毎日使えるベーシックなデザインに+αくらいを求めているので楽しみながら選んでもらう、迷わせない最適な方法という意味では①の方が優れていると思います。
特にデザインの多様性ではなく、オーダーメイドで世界で一つであることや鍛造などの技法を重要視する方も多いので②を無理に勧める必要はないと思います。
ただ、①では満足できない方も間違いなくいるので②の方法を考えてみました。
②の方が調べて見本デザインを用意する必要があり、受注するときもデザインの候補をいくつも考えることになるので手間はかかります。
なのでこのホームページでも後回しにしていました。
覚える事に時間がかかる教育は大手でもしないお店が多いのでそこが個人でオーダーを受ける場合には強みになると思っているのでそのあたりもまとめて説明してきます。
このブログは若い職人さん向けに書いています。細かく説明すると①の方法で作れる職人ならCADを覚えるだけで②ができます。
デザイナーであれば指輪の絵を描いてそれを職人に依頼、もしくはイラストレーターで三面図を描いてCADオペレーター(兼職人の場合もあります)に立体データに起こしてもらうという作業になります。
どちらの方法にしろ二人以上の人間が必要なので修正があれば、その度にやり取りが発生します。
CADを覚えて接客をすれば、このやり取りが一人で完結するので時間の短縮、出来上がりイメージの違いなどを防ぐことができます。
そう考えるとお客様に喜んでもらえるとは思いますが、手でデザイン画を描けるようになる練習などは個人的には必須ではない気がします。
PC上で一度作ったモチーフのデータはそれをアレンジして他のデザインを短時間で作ることができるので効率もいいです。
身の周りのジュエリー業界の人と話したり、他店のホームページを見る限り、CADが使えるデザイナーやC職人は今はまだ少なく、接客までする人はさらに少ないです。
ほとんどのお客様はいくつかのお店と比較をしてどのお店で作るかを決めます。
オーダーメイドで大事なことは金額、お店の雰囲気などを置いておくと接客する人とその提案力ではないかと思います。
手で作る事に拘りすぎると提案の時にどうしてもデザインの自由度が高くならないと感じていたので、このワークスではお客様のイメージが膨らむように多数のモチーフから指輪をCADで作っています。
あくまでオーダーでどんなことができるかの見本なのでお金をかけて原型を造形などはせずにデータの状態をイラストにして公開しています。
この提案力に関してはいい例えが思いつきませんがシンプルなデザインが1の提案でいいとしたら手で作る場合は3、CADなら5までできるとします。
そうするとお客様は最終的には1のデザインに決めたとしても3の中から選んだ1と5の中から選んだ1ではそのデザインに対する「納得度」つまり満足度も違うと思います。
決まらないデザインでも準備しておくことで他店が3の提案でこちらが5の提案をすれば、お客様が自社を選んでくれる確率も高くなるはずです。
結婚指輪のデザインを決める方法の記事の作り方ですが、エクセル上で画像を並び替えて接客の時にお客様に話すときをイメージして順番などを考えて書きました。
なので記事を読んでからご来店した場合はホームページに書いてあった話と同じ・・・と、なりますが、もともとそういったお店に行く前にほとんどの情報がわかるホームページにしたかったのでこの話もトップページの目立つところにあとでリンクを張ります。
左側にモチーフになった画像とスケッチ、右側に出来上がった指輪のイラストにしました。
数が多いので読みやすいように画像メインで文章は補足説明くらいにしています。
モチーフが編み物→編み込み模様のように最初にどんなモチーフからどんなデザインができるか説明しています。
そこからそのモチーフをアレンジして
→海外の編み込み模様
→日本の編み込み模様
→オリジナルの編み込み模様
さらに編み込み模様から連想して
→衣類のテキスタイル、
→靴の模様
→壁紙や床の模様
というようにお客様自身でデザインを考えたい場合にもどうモチーフを決めればいいかがわかる内容にしました。
モチーフもそのままではなく、
・シンプルにする
・分割する
・変形させる
・別のモチーフと組み合わせる
など、アレンジする方法も説明してあります。
イラストだけだと単調になるのでホームページで公開しているCADで作った地金の指輪を例に挙げてから「こんなアレンジも考えられます」という流れにしています。
画像のように文字を模様にする場合は実物→アルファベットでどんなパターンができるかという流れにしています。
ワークスの公開の話は以上です。
作った指輪で結婚指輪のデザインを決める方法を手作りの技法で順番に選択していく場合とモチーフを決めて絵を描いて立体にする場合の2種類を詳しく説明するところまで終わりました。
デザイン決めの方法は商談ファイルにまとめてご来店時に見れるように後日まとめておきます。
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