【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】
前回のブログでペアで税込み20万円以下の4型の結婚指輪に絞ったレディメイド(既製品)サイトを作りました。
オーダーメイドに比べて選択肢が少ないので、専用の注文書に記入で簡単に注文できるだけでなく、
サンプルセットを用意したので、宅配で全型の確認してから注文するかどうかも決めることができます。
この宅配向きの指輪をミンネやクリーマなどの通販サイトで登録、販売する事にしたので今回はその初期設定を説明していきます。
通販サイトについて
ネットで調べてみると三大ハンドメイドマーケットプレイスとも呼べる通販サイトがあり、
minne(ミンネ)
…作家数は50万人を突破した国内最大級のマーケット。プロからアマチュアまで幅広い作品が出品されている。
creema(クリーマ)
…minneに次ぐ第二位の存在。購入者層はminneよりもプロの作品を求めるユーザーが多い。
iichi(イイチ)
…上2つが販売手数料10%前後の中、販売手数料は20%と高額。
の3つが有名との事でした。
通販サイトだと
フリマアプリ…メルカリやラクマなど
独自ショップ…STORES.jp、BASE、カラーミーショップなど
ショッピングモール…Amazon、楽天市場など
などもあります。
三大ハンドメイドマーケットプレイスは売れた場合にのみ、手数料が差引されて入金され、初期費用と固定費は無料という点にも惹かれました。
通販サイトでは結婚指輪のような高額商品には向かないと思っていましたが、検索すると割とヒットしました。
①宅配での受け付けができる指輪が出来た事と②外部のリンクを増やしたい、③外部リンクからオーダーサイトへの導線にしたいと思っていたので、まずはこれまで作った画像と文章を使ってレディメイドリング4型でミンネとクリーマに登録することにしました。
iichi(イイチ)は
・商品画像サイズが正方形ではなく、
横長でHP用のままで使えない。
・1商品に使える画像は5枚と少ない
(ミンネは20枚、クリーマは10枚で正方形画像を推奨)
・販売手数料は他の2つより高い
という事で今回は登録を見送りました。
ミンネとクリーマに登録する
まずは2つのサイトに登録をします。
氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの情報と共に振り込まれる銀行口座の情報も必要になってきます。
手入力は手間なのでPCで片側にサイトの登録画面、もう片側に個人、店舗情報の一覧を表示してコピぺして登録を終わらせました。
ミンネの方は出品する場合は事業者確認の審査があるようで結果は審査終了後にメールでご案内、審査中も作品の登録が可能との事でした。
自己紹介(プロフィール)を設定する
2つのサイトに登録したら画像を自己紹介(プロフィール)を設定します。
ミンネは
・アイコンは丸くトリミングされる
・制作風景やお気に入りの作品画像は2枚、
「285px × 210px」以上の画像サイズで、1MB以内の画像容量
・カバー画像のサイズは1100×280px
クリーマは
・アイコンは200×200px 正方形推奨
・ギャラリーの写真は3枚、横長画像を推奨800×640px以上
(ミンネでは制作風景やお気に入りの作品画像にあたる)
という風に画像サイズが違います。
ミンネは①個性的な指輪の一覧、②店内写真、クリーマは上の2つに③お店の場所のMAPイラストを加えました。
自己紹介文はクリーマは上限が2000文字と決まっています。
文章は
「結婚指輪、婚約指輪などのオーダーメイドリング専門店です。
店舗では大手ジュエリーメーカー等で修行を積んだ
・貴金属装身具技能検定1級
・職業訓練指導員
・GIA.G.G.(米国宝石学会宝石学修士)
・GIA.AJP
・ジュエリーコーディネーター2級
の5つの資格を持つ30代の職人が対応致します。
場所は渋谷、表参道、原宿、明治神宮前駅より徒歩圏内、
営業日は土、日曜日のみとなります。
ご来店の際は前日までにご予約をお願い致します。
詳しくはHPをご覧下さい。
http://オーダーメイドサイトのURL
Creemaで販売している4型の結婚指輪については下記のサイトをご覧下さい。
http://レディーメイドサイトのURL」
にしました。
ミンネは255文字以内が上限でサイトURLは別で入力できる項目があったので多少違いますが、内容はほぼ同じです。
商品画像を用意する
2つのサイトへの登録、プロフィール設定が終わったら指輪の商品登録を行います。
調べた所、1商品にミンネは20枚は画像が入り、クリーマは10枚は画像が入るということなのでまずは4本の指輪画像フォルダを用意します。
ミンネは1辺が1280px以上の「正方形」の画像を推奨しています。クリーマは正方形表示でも推奨サイズの表記が見当たりませんでした。
インスタグラムの画像サイズの上限が縦横1080pxの「正方形」なので、そちらでも使えるように画像は1080pxの「正方形」を用意しました。
まずはミンネの画像20枚を用意します。
HPのように商品説明ページの文章の途中に画像を入れることはできません。ちなみに段落の重要な部分の文字を太くすることもできません。
他の商品ページ、自己紹介は見ないことを想定して1商品ページ内で内容は完結させるので、その説明に必要な画像を厳選して用意しました。
HPでも使っている4分割の画像を使って情報は詰め込んでいます。
ミンネの画像20枚を用意、クリーマ用に10枚に絞って、一部の4分割画像は作り直しました。
商品説明の文章に画像と挟みながら説明できないので、そのあたりの事を考えて画像は用意しています。
商品説明文を作る
1商品ページ内で内容は完結させます。
ミンネは
・作品説明(2000文字まで)
・購入時の注意点 5000文字まで
クリーマは
・作品紹介文 2000文字以内
・発送目安 500文字以内
と文字数が決まっているので文字数の多いミンネを先に登録、その文章を書き換えてクリーマに登録という手順で商品説明の文章を作りました。
商品説明の入力欄には
ミンネは
「色、サイズなどとあわせて、
作品に対する『想い』を伝えましょう。」
クリーマは
「※受注後に作品を制作される場合は、『受注後に制作される旨』と『納期』を記載してください。使用素材/お直しやパーツ変更の可否作品に込めた想い/作品のポイント技法/飾り方、使い方の提案/使用上の注意、お手入れ方法など、写真だけでは伝わらない作品の魅力を伝えましょう。」
という説明が添えられていたので想いを伝える文章を考えます。
今回登録した4型のレディメイドマリッジリングの特徴をまとめると
(#109 新マリッジリングHP④で詳しく説明済み)
「レディメイド」は既製品という意味で結婚指輪はオーダーメイド専門の当店が時代に左右されないクラシックな形と考える甲丸、捻(ひね)り、ミル打ち、槌目(つちめ)模様の4型から選ぶことができます。
職人が1つ1つを丁寧に作るオーダーメイドに比べると、レディメイド(既製品)という言葉には工場で大量生産するようなイメージがあり、通常は「オリジナル」等と言い換えます。
ただ、「どんな人にでも合う最適化したデザイン」という意味では流行に左右されない定番品に通じる所があると思い、あえてマイナスの意味を含むこの「レディメイド」という言葉も残すことにしました。
当店のオーダーメイドは結婚指輪を
①幅 ②素材 ③仕上げ(テクスチャー)
④石留め ⑤刻印 ⑥基本デザイン(形状)の
6つの要素に分解し、順番に選ぶことで誰でも簡単に
デザインを決める事ができるようにしました。
ホームページ内では詳しい説明と料金表、指輪のアレンジ例、
デザインの決め方などお客様が知りたいと思われる情報を公開して
ご来店前、打ち合わせ後のどちらでも
お二人で話し合って決められるようにしています。
当店のオーダーメイドの一番の特徴は
この「お客様自身でデザインを考えることができる仕組み」です。
サンプルリングはどんなお客様のご要望にもお応えできるように
充実させ、店頭では約300本をご用意しています。
ただ、大多数のお客様にとっては多すぎるサンプルリングが、
どれを選んで良いのか悩ませる事になってはいないか。
そう考え、お客様が悩まずに直観的に選べる定番の選択肢として、
用意したのが「レディメイド」の4型です。
幅は2.5㎜と決まっているのでレディメイド専用の注文書に
①指のサイズ、 ②デザイン、③仕上げ(鏡面か艶消しのみ)、
④素材を選択して⑤刻印を記入するだけなので
店頭で指輪を選んで購入するのと手間はほぼ変わりません。
オプションで石留めをすることもできます。
金額は指輪1本あたり¥90,000 + TAXです。
原型がある事でオーダーメイドに比べて制作に時間がかからず、
新品仕上げやサイズ直しといったアフターフォローをなくしたことで、
どのデザインを選んでもペアで20万円以下(税込)となっています。
英語では沢山ある中の一つで特定できないもの、例えばリンゴやオレンジなどは不定冠詞の「a」を付け、太陽や地球のように世界に一つしかないものには定冠詞「the」を付けます。
多くの指輪を作ってきた当店が考える「定番」という意味を込めて、基本デザインの①スタンダード、②ツイスト、③ヒストリカル、④パターンから1つずつ選んだ指輪の名前の前には「the」を付けました。
幅2.5㎜の男女兼用デザインで4型しかないので
宅配で全サンプルを確認してからご注文も可能です。
1、サンプルセットの依頼
2、サンプルセットの到着
3、サンプルセットの返送
4、注文内容の確認、納期の連絡
5、ご納品
の5ステップで、スムーズに進んだ場合は
1~3までが1週間前後、
4~5までが3週間なので
ご注文から1か月ほどでご納品が可能です。
ご注文が入ったら指定の住所に
・4種類のサンプルリング
・リングゲージ 1~30号
・刻印見本ファイル
・レディメイド専用オーダーシート
・記入用のペン
・返送用レターパック
をお送りして指輪の形を確認してもらってから
正式なご注文として受けることにしています。
4種類のサンプルリングは25号なので
指の太い男性でも薬指に着けることが
できます。
以上がおおよそのレディメイドマリッジリングの特徴で、4本の指輪に共通する説明です。
この内容も決められた文字数に合わせて調整して入力しました。
4本の指輪のメイン画像はそれぞれ3枚だけ変えて登録しています。
説明文は
1、「ザ・ラウンド」は甲丸(こうまる)と呼ばれる断面がカマボコ型の結婚指輪として最も一般的な形状の指輪です。
表面に角がなく、着け心地の良い甲丸指輪は16世紀半ばにスペインのフェリペ2世とイングランドのメアリー1世が結婚指輪として身に着けたことから定番になったと言われています。
断面形状で最も定番と言える甲丸を幅2.5㎜の男女兼用デザインで作りました。
2、「ザ・ツイスト」は平面の板を捻ってから丸めることで膨らみと凹みが生まれる立体的な形状の指輪です。
長方形の片側を180°捻って繋げることで裏表がなくなる「メビウスの輪」は「永遠」を意味するということで結婚指輪の定番デザインとして定着しています。
この指輪は正面から見た時に捻っていることがわかりやすく、反対側はストレート腕なのでバランスを崩さずにサイズを直せます。
3、「ザ・ミルグレイン」は指輪の表面に極小の粒が装飾された指輪です。
ミルグレインはラテン語で「千の粒」という意味で連なった小さい粒は永遠や長寿などを表します。
ギリシャ神話でも神聖視された植物の月桂樹彫りとともに指輪に入れることが多いミル打ちを甲丸の両端に一周入れました。
4、「ザ・ハンマー」はその名の通り槌で叩いて生み出す模様、槌目模様の指輪です。
当店では槌目模様自体は仕上げの一部として考えていて、手作業で入れる模様なので様々な模様を付けることができます。
規則正しいカット面の指輪から着想を得て、遠くからでもはっきり見える不規則な大きいカット面を最も定番の槌目模様に選びました。
という内容で商品ページの最初に載せています。
画像と同じようにHP用に作った文章を書き換えたので1から作るよりは時間はかかっていません。
作品を公開する
あとはミンネ、クリーマで微妙に異なりますが、カテゴリー、素材、金属アレルギー、ハッシュタグ、在庫数、価格、オプション、カラー、再販依頼受付け、ギフトラッピング、作品発送元地域、海外配送の可・不可、送料・配送方法などフォームの選択もしくは入力をしていきます。
作品名はミンネが100文字、クリーマは60文字以内でした。
スマホで確認したときに素材は表示させたかったので、どちらのサイトにも多少は省略されてもいいようにThe Round【K18 / Pt950 / Pt900】のように短めで登録しています。
あとはそれぞれの商品ページを公開、販売中の設定をして商品の登録、サイト上での公開は完了です。
2つのサイトへの登録、画像と文章をまとめて4つの商品画像を公開するまでで丸2日ほどかかりました。
まとめ
通販サイトのminne(ミンネ)とcreema(クリーマ)への初期設定については以上です。
画像や文章の表示方法はインスタグラム同様に縛りが多く、他の出展者さんのページを見ると商品ページを展示中(非販売)設定にしてよくある質問、〇〇について等の説明ページに使う工夫などもしていました。
2つの通販サイトについてはたくさんいる出展者の中でどうすればお客様の目に触れる場所に表示されるかも考え、調べながら修正していく予定です。
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