ジュエルクラフト東京

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#128
関節の出た指用リング⑦

【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】

繋ぎ目リング27
結婚指輪に画像のように2か所に斜めの繋ぎ目があって、差し込み口から正面パーツを外すことができる新型を追加しました。
 

 

繋ぎ目リング3
繋ぎ目リング12
繋ぎ目リング11
繋ぎ目リング8

指輪本体には正面パーツを挟む力が加わるようにしています。

こうすることで指の関節が出ていても根本でフィットさせる事ができます。
 

 
繋ぎ目リング10
指の関節が出ていても根本でフィットする結婚指輪はこれで3つ目となります。

今回はこの指輪について書いていきます。
 

 

指輪を作る


#119手作り用形状見本リングではシンプルな結婚指輪の中でも形状に少しアクセントがあるデザインは定番で人気があり、その中でもツイストリングのような斜めのカット面を入った指輪が人気があるのでまとめてサンプルを作りました。

このデザインで斜めのカット面部分だけ素材が違い、コンビリングはよく見かけます。
 

 

当店ではコンビリングは一部、半分、上下、内外の4種類の分けています。

この一部コンビの繋ぎ目部分は画像のような種類が考えられます。
 

 

虹色石の結婚指輪22
虹色石の結婚指輪16
虹色石の結婚指輪11
虹色石の結婚指輪12

少し前の#127客注虹色石コンビリングではコンビの断面部分に差し込み口を取り付けました。

差し込み口があることで断面の強度が高くなる、溶接時に断面同士がズレるのを防ぐことができます。
 

 
繋ぎ目リング12
このハーフコンビと同じ仕組みで一部コンビ、繋ぎ目斜めを作り、腕の両側から正面パーツを挟む力が加わるようにバネを効かせれば、溶接ナシでも正面パーツは外れません。

・デザインはよく見かける(人気がある)
・斜めの繋ぎ目がデザイン上のアクセントになっている
・溶接しなければ正面パーツの交換ができる
・指の関節が出ていても根本でフィットさせることができる

見た目以外の上のような良さも加えられるので、サンプルを作ることにしました。
 

 
繋ぎ目リング13
こちらが制作中の画像です。

指輪の幅は3㎜、厚みは2㎜、差し込みパーツ部分は幅、厚み1㎜にしています。

正面パーツ部分いっぱいに宝石を留めるデザインもよく見かけるので原型は石座ありで作って、結婚指輪のメンズはWAXになってから石座を埋めることにしました。

正面パーツを0.5㎜で縁取りをして、その中に納まるバランスの良い大きさ宝石を5PC配置しました。宝石の大きさは中心から1.5、1.3、1.0㎜です。

石座を入れたので差し込みパーツの凸側は正面パーツに取り付け、指輪本体には差し込み口を作ります。
 

 
繋ぎ目リング14
今回の指輪は正面パーツと差し込み部分以外はシンプルな甲丸リングです。

正面パーツと差し込み部分のみ樹脂原型で造形、WAXパターンになってからワイヤーワックスで甲丸腕部分を作って合体させて鋳造に出します。
 

 
新型模様リング23
樹脂原型は他の指輪と一緒に一つにまとめて造形に出します。
 

 
新型模様リング3
正面パーツは画像のように上下に湯道を付けて、
 

 
新型模様リング22
ゴムが切りやすい形で造形依頼をしました。
 

 
新型模様リング19
樹脂造形、ゴム型取り、WAXパターンまで出来たら
 

 
新型模様リング20
分解してWAX原型を完成させます。
 

 
繋ぎ目リング17
指輪本体の後ろの湯道を付ける部分に正面パーツも合体させて1本の指輪として鋳造に出します。
 

 
繋ぎ目リング18
鋳造から上がってきたら、
 

 
繋ぎ目リング19
仕上げてメッキに出します。
 

 
繋ぎ目リング20
メッキをするパーツは電気を流すフックにひかっけます。今回はひっかける場所がなかったので画像のように銅線で固定してメッキに出しています。
 

 

こちらが今回作った7本ですべてつや消し仕上げです。

鏡面や槌目仕上げを入れるアイデアもあったのですが、リングトレイに入れて比較してもらう場合にできるだけプレーンな状態で単色、コンビ、石留めアリを比較してもらいたいので、すべてつや消し仕上げで統一しました。
 

 

繋ぎ目リング12
繋ぎ目リング11

この正面パーツを溶接なしにする場合ですが、サイズが小さいとバネが利かない可能性があります。

その場合はパーツの交換はできませんが、片側の断面を溶接してしまうという方法を考えました。これならハーフコンビリングにも対応できます。

パーツの紛失を防ぐこともできて、片側の繋ぎ目は空いているので指の関節が出ていても根本でフィットさせることはできます。

溶接前に断面は面取り、溶接後に溝に沿って一番細い糸鋸刃で溝を付け直せば左右の繋ぎ目の違いも分かりにくいので、見た目の違和感も少ないと思います。
 

 

HPで公開する

繋ぎ目リング23
まずは結婚指輪ページで公開します。

繋ぎ目や縫い目は英語でSeam(シーム)といいます。そこから指輪の名前は2か所の繋ぎ目があるので複数形のSeamsにしました。

メンズは正面パーツがついた状態、レディースは正面パーツが外れた状態をメイン画像にしています。

追加料金は一部コンビリングと同じ¥10,000にしています。溶接なし、溶接1か所、溶接2か所(普通の一部コンビ)のどれを選んでも同じ金額でお好きなものを選んでいただくようにしました。
 

 
繋ぎ目リング25
フォトギャラリー部分にも追加します。

どんなアレンジができるか、パーツの取り換えができることがわかる1枚画像を作り結婚指輪Seamsにリンクを張っています。

指の関節を通って根本にフィットすることが分かるイラストも作りました。
 

 
繋ぎ目リング24
基本デザインではアザースに追加しています。ほか2つの指の根本にフィットする指輪と並べています。
 

 

指輪のサイズ選びについて

繋ぎ目リング28
今回の指輪と一緒に「指輪のサイズ選びについて」というブログをお客様向けページで公開しました。

指の形は大きく2つあって

・指の関節が出ていない(指の根本が一番太い)
・指の関節が出ている(指の第二関節が一番太い)

のどちらかによってそれぞれのベストサイズが違うという話から始まり、当店でのリングサイズの決め方、指輪が抜けなくなった場合の対処法などリングサイズについて店頭で話していた内容を画像付きで解説しています。

この説明の途中に指関節が出ていても根本でフィットさせたい場合の指輪として今回作った指輪についても簡単に触れています。
 

 
繋ぎ目リング16
その内容はPDF1枚にもまとめたので、打合せの時にも活用したいと思います。
 

 

まとめ

繋ぎ目リング27
関節の出た指用リング⑦については以上です。

 


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