ジュエルクラフト東京

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オーダーメイドの指輪を
作る過程#063
新型フェデリング

オーダー指輪 新型フェデ24
写真の新型フェデリングを結婚指輪のページに追加しました。このブログではこの指輪を作ってホームページで公開するまでを書いていきます。

 

フェデリングとは

オーダー指輪 新型フェデ6
フェデリングとは握り合う手を解くとハートが現れる3連の指輪で2~3世紀のローマで流行しました。

フェデ(FEDE)とはイタリア語で信頼や忠実を意味します。様々な派生デザインがありますが、男性と女性が握り合う手を解くと愛情を意味するハートが現れる仕掛けになった形が一般的で、婚約が決まるとこの3本で一組の指輪を花嫁、花婿、立会人が1本ずつ持ち、結婚式の時に一つにしたと言われています。

中世になると開いた両手からハートが現れる仕掛けもなくなり、手を握っただけのシンプルなデザインが主流になっていきます。

結婚指輪「FEDE」はこの指輪が出来た当時の形を現代風に余計な装飾を省いた形にして再現しました。手の部分は日常生活で引っ掛かりが少ないように
強度を保ちながら出来るだけ小さくてあり、腕の幅は1本が1㎜で3本重ねると3㎜になります。

 

オーダー指輪 新型フェデ7
この指輪が流行したといわれる当時のローマでは上の画像のように3つに分かれて手を解くとハートが出てくるデザインが主流だったことから結婚指輪のサンプルも同じ形で作りました。

 


元々はこのフェデとギメルを足したデザインでお客様からご依頼があったので他にも欲しい方がいるかもしれない事と(おそらく作るのが難しいので)他で見かけない、お店の「売り」になりそうと思った事が結婚指輪ページに加えた理由でした。

他のオーダー指輪のお店でも見かける中世から主流になった握手した状態で分解できないタイプはご注文があれば作れるのですが3連タイプがあることで
おおよそどんな形になるか完成形がイメージできるのでサンプルは作っていませんでした。

今回、改めてホームページを見直して他のお店でも扱うデザインなら3連よりも形がシンプルなフェデリングも選択肢としてあったほうがいいかもしれないと思いサンプルを作ることにしました。3連のように仕掛けがないことで価格も下げることができることも作ることにした理由の一つです。

 


最初はWAXパターンになった3連の隙間を埋めて鋳造に出せば分解できないタイプになるので新しく原型を作る必要はないとおもっていました。その後、他のCADデータを樹脂造形する時に空いた隙間にこの握手のパーツが収まりそうだと思ったので1から原型データを作ることにしました。

 

原型データを作る

オーダー指輪 新型フェデ8
作り方ですが、まずはフェデリングの画像、握手している状態の写真やイラストを集めます。

手を握っただけですが、指輪の本数を簡略化して3本にしたり、手を横長の楕円かリアルな握手の形にするか、袖のデザインにバリエーションがあったりと
悩むところは多々ありました。

最終的には手書きした握手のスケッチをCADに取り込んでこの絵を下書きにラインを決めて立体を作りました。

 

オーダー指輪 新型フェデ9
具象系制作向きのCADは使っていないので風船のようにそれぞれのパーツを作って手の形にして細かい丸みなどは地金になってから削って調整していきます。袖の形は3連のフェデリングと同じにしました。


原型データは両手と袖の部分を含めて最大の幅5㎜、直径15㎜、厚みは5㎜の小さいサイズにして結婚指輪として日常的に着けていても邪魔にならない大きさにしました。

 

オーダー指輪 新型フェデ10
あとは両手と袖、3㎜の腕の一部を一つのパーツにして他のCADデータと合体させて樹脂造形を依頼します。

 

フェデリングの制作

オーダー指輪 新型フェデ11
樹脂原型のゴム型からWAXパターンが出来上がってきたらフェデのパーツを取り出して腕の代わりになるワイヤーワックスと合体させて指輪の形にして鋳造に出します。

オーダー指輪ブログ コロナの影響1
オーダー指輪ブログ コロナの影響7
画像の複雑な原型はこの後順番にブログで公開していく、新型ギメル、編み込み模様、麦の穂模様、風景(山脈)模様、指紋リングのパーツが一つになっていて原型・ゴム型代を抑えるためにシンプルな腕の部分をなくして模様などの部分を一つに集めたものです。今回は形が複雑でいつもお願している鋳造屋さんでゴム型が切れないと言われたので別のお店に依頼しました。大量のWAXパターンは指輪によってはアレンジ例も作るので多めに頼んであります。

 

オーダー指輪 新型フェデ13
腕の代わりになるワイヤーワックスは断面の幅は3㎜、厚みは2㎜を使いますがそのサイズはお店で売っていません。今回は断面が直径4㎜のワイヤーワックスをローラーで伸ばして断面を3×2㎜の長方形にしました。

 

オーダー指輪 新型フェデ14
ワイヤーワックスはローラーの溝に事前に機械油を垂らしてくっ付かないようにして伸ばしていきます。今回一緒に造形した他の指輪でもこの断面が3×2㎜のワイヤーワックスは使うので少し多めに作りました。

 

オーダー指輪 新型フェデ12
腕の部分の使うワイヤーワックスが用意出来たらワックスパターンを分解します。

 

オーダー指輪 新型フェデ15
分解した両手のWAXパターンに3㎜幅のワイヤーワックスをくっつけて指輪にします。写真には写っていませんが、スパチュラーをアルコールランプで熱して袖部分とワイヤーワックスを合体させました。地金になってから細かく成型していくのでWAXを盛り付けて膨らんだ部分の処理はせず、この段階ではおおよそでOKです。マリッジリングのページはペアで画像表示するので2本作りました。

 

オーダー指輪 新型フェデ16
それからWAXパターンができてからインスタグラムで理想的な握手のパーツが入ったアクセサリーを見つけました。それを参考に手の上部にWAXを盛り付けるという修正を加えました。

 

オーダー指輪 新型フェデ21
画像で説明すると原型では手の上部は凹んでいますが、WAXを盛りつけると膨らむ形になります。実際にオーダーが来た時に使えるように原型データも修正した形で作り直しておきました。

 

オーダー指輪 新型フェデ17
WAXが真鍮になって上がってきました。全体にヤスリをかけて丸みを出して、指の隙間には糸鋸を入れて輪郭をはっきりさせます。

 

オーダー指輪 新型FEDE18
あとは内面を磨いて外側はサンドペーパー、バフ掛けをしてスポンジヤスリで艶消し仕上げにしてそれぞれにロジウム、K18メッキをかけて完成です。

 

ホームページで公開する

オーダー指輪 新型フェデ1
新しいフェデリングができたので古いタイプも含め名前を考えます。

 

オーダー指輪 新型フェデ22
当初は3連の古い方をFEDE1に変更、新しい方をFEDE2にしようかと思ったのですがデザインの優劣順に見える気がしたので古いほうはFEDE(TRINITY)、新しい方はFEDE(SINGLE)にしました。

 

オーダー指輪 新型フェデ24
文章は古い方とほぼ同じ内容です。

 

オーダー指輪 新型フェデ5
今回作ったサンプルリングは両手のパーツは5㎜幅、腕は2㎜幅ですが、オーダーメイドでは両手のパーツは3㎜幅、腕は2㎜幅から作れるということも書いておきました。

 

オーダー指輪 新型フェデ23
金額はこれまでと同じようにオーダー基本料をベースにした追加料金を足した金額になっています。
今回作ったフェデ(シングル)は指輪の幅は3㎜で最大幅5㎜の手と袖部の地金代は幅1㎜の追加ということにして
合計金額は1本あたり14万円にしました。
袖に模様を入れるなどアレンジが加わる可能性も考えて金額は少し高めに設定しています。

 

まとめ

オーダー指輪 新型フェデ0
3連タイプより価格を抑えたシンプルなフェデリングができました。WAXで削っても原型を作ることはできますが、オーダーで袖の部分に模様を入れたり、デザイン変更、トップと腕の幅を変えた依頼が来る可能性も考えて1から原型を作らなくて済むようにCADで作ってあります。

 

追記202008

フェデリング(シングル) プラス1
フェデリング(シングル) プラス8
フェデリング(シングル) プラス5
フェデリング(シングル) プラス4

正面パーツと腕の幅が3㎜のフェデリングを作って8月末に画像を差し替えました。

 

フェデリング(シングル) プラス6
コンビリングも作ったので詳しくはマリッジページをご覧下さい。

 


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