ジュエルクラフト東京

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#019
八角形エンゲージリング①

【 オーダーメイドの指輪を作る過程 】

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珍しい八角形のダイヤモンドのお持ち込みで婚約指輪を作らせていただきました。

ご依頼のお客様はイタリア出身での日本語が話せないということで一緒にご来店したご友人が通訳してくださいました。

グーグルの画像検索で当店の指輪画像が気に入ってご予約をしてくださったそうです。

 

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ご依頼のお客様はデザイン関係のお仕事をしており、写真のような完璧なデザイン画を持ってきてくださいました。

 

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ダイヤモンドもお持ち込みです。
ダイヤ、石座、腕のすべてが八角形のシンプルで個性的なデザインをご希望でした。

ダイヤモンドは中央研のソーティング(簡易鑑定書)がついているので日本で購入したものでしょうか。

 


以前に作った写真左側のサンプルの石座がイメージ通りということでこれをベースに打合せをすすめました。

この見本のおかげで打ち合わせがだいぶスムーズで、通訳のご友人に1時間ほどかけてデザインや納期、金額など詳しく伝えてもらいました。

打合せ翌日にご希望の形のデザイン画をメールして、OKなら翌週に原型確認、その次にご納品となるので納期は約1か月という風に伝えました。

 

CADデータの制作

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今回は左右対称さが求められるデザインなのでCADで原型を作ります。

 

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その画面をスクリーンショットで撮影してPDFにまとめてお客様にお送りします。

 

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石留め前と石留め後の画像の原型データを作りました。

 

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4面図は石留め後の出来上がりでお送りします。

石の寸法はノギスで測らなくてもソーティングに正確なサイズが書いてあるので、それを参考にしています。

 

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腕の厚みに関しては3案出してお勧めの厚みで原型を作りました。

婚約指輪なので結婚指輪と重ね付けすることも考えた厚みにしてあります。

 

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リングサイズに関しても直径17㎜が指輪サイズで何号か分かるイラストも付けました。

日本語部分は「直径 英語」などNETで検索して画像に書き込みました。

出来上がったPDFをメールで送ります。

 

メールを送る

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メールの1通目は自分で考えたり、「英語 メール ビジネス」などで検索して英語の事例集を参考に使っていましたが、時間がかかるので2通目からはグーグル翻訳を使いました。

 

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日本語を入れると即座に英訳してくれます。

ただ、「よろしくお願いします」が「THANK YOU」となってしまったりと、こちらの言いたい事と違う翻訳になっていたりすることがあります。
※SincerelyやBest regardsという言葉が「よろしくお願いします」となるようです。

そこで日本語から英語にして翻訳した後、反対に英語から日本語に変換して一度チェックしてから送ります。

 

樹脂造形

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何度かメールでのやり取りを経て、デザインのOKが出たのでデータから樹脂原型を依頼します。

今回のデザインは内側の直径が17㎜で外側の正八角形を崩さないようにWAXパターンでのサイズ直しをせずに出来上がりが13号になるように樹脂造形をします。

今回の難しいところはこの縮みを計算して完成形のサイズを出すことです。

通常の丸い指輪はゴム型を取ったあとに仕上げで減る分も計算してWAXパターンでサイズ調整をしてから鋳造します。

今回の指輪は造形前に鋳造屋さんなどを何件か回って聞いてみました。

ただ、樹脂原型を少し大きく、ちょうど、少し小さくなど回答がバラバラだったので依頼先の指定通りに作るのがいいかと思います。

 

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今回の鋳造依頼先に①内側のサイズ出しと磨き、②湯道付近のス穴消し※、③レーザー刻印までをお願いするので(内側は13号の完成状態で)受け取りたいと伝えたところ地金の完成形の-0.3号で樹脂原型を持ってきてほしいとの回答でした。

※鋳造すると湯道付近はス穴が出やすいので大抵は仕上げ前にレーザー溶接で埋めておきます。

この状態で指輪を受け取ればこちらで石留めと全体の仕上げをしてご納品となるので納期も短縮されます。

画像のように樹脂原型は12.7号=内側の直径16.9㎜でCADデータを作り樹脂造形を依頼します。

 

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ただ、この後に色々と考えていつも通り仕上げも自分ですることにしました。

普段のブログでは加工の流れで書きますが、今回は結果を先に書いてしまいます。

K18になってバリ取り目的で指輪の内側を1周ヤスリをかけて木槌で真円を出すと11.5号で止まりました。

出来上がりに1.5号は小さいので指輪を均一に伸ばすのは苦労しました。

サイズ直しなしでサイズを出したい場合はプラチナと金で「縮み」は違うと思いますが、樹脂原型12.7号→K18鋳造上がり11.5号ということは1.2号小さくなるので樹脂原型は完成形の1号大きめで作ると仕上げでちょうどいい-0.2号が鋳造上がりということになります。

余裕を見て0.5号大きめで作ると鋳造上がりは-0.7号になるのでいいかもしれません。

 

お客様の原型確認

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指輪の形自体はそこまで複雑ではないので、前回のご来店から1週間後に原型確認となりました。

今回から通訳の方は一緒に来られないということで、ある程度英語で話す内容を考えて、わからない単語などは調べておきます。

わからなければパソコンの翻訳機能でその都度調べながら話すことにしました。

原型は問題なくOKがでたので次回はご納品と決まったので、納期は前回のご来店日から1か月後となります。

ちなみに今回はお支払い方法はお振込みをご希望だったのですが、海外口座からの送金という方法をご希望だったのでBANKCODEなども調べて送りました。

②では実際の指輪の制作からお渡しまでを書いていきます。

 


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